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2024/04/12

「アイアンクロー」を観る

今日は「アイアンクロー」を観てきた。プロレス黎明期、鉄の爪で名を馳せたフリッツ・フォン・エリックと4人の息子たちを追った実話ベースのドラマ。次男ケビンが放つ「呪われた一族」と言うセリフはかつてのプロレスファンなら知らぬ者はいない。プロレスへの愛情に反し、4兄弟は過酷な運命を辿っていく。

父の代名詞が映画のタイトル。実は彼ら兄弟を縛っていたのがアイアンクロー=父フリッツであった事を知らされる。兄弟で起きた事は兄弟で対処しろ、その一方で外堀を埋めるようにプロレス界に引き込むフリッツ。そんな父の言葉に「Yes sir」とただ答えるだけ。プロレス以外に退路は与えられないのだ。

このドラマに惹き込まれるのは僅かに感じる愛情に圧倒的な父、フリッツを演じるホルト・マッキャラニーの存在感。その対極に兄弟を支える次男ケビンを演じたザック・エフロンの悲哀。ビルドアップした肉体の説得力も凄く、ヤングスターの頃の面影は皆無。彼ら兄弟の愛情が深い程、それぞれのエピソードが心に刺さる。

しかも子供の頃、プロレス中継が楽しみだった世代には堪らない試合再現。ブルーザー・ブロディにハーリー・レイス、トドメはリック・フレアーと程よく似た配役。ちなみに長髪だったケリーの出た全日本プロレスのテレビ中継をおぼろげに覚えているんだよなぁ。実況は倉持隆夫アナでね、たぶん。

プロレス(引退後はマネージャー的役回り)に厳しい父、強い信仰心の母。この兄弟、家族の始まりは誰がみても幸せで一杯だったのに、運命と片付けるには悲し過ぎる。ただ一人ケビンがプロレス界を離れて映画は終わる。彼が家族同士でフットボールをパス回しする姿はある種の結論なのだと思う。

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