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2024/04/14

「ブギウギ」を観る(完走)

先月、朝ドラ「ブギウギ」を観終えた。戦後復興を支えた「ブギの女王」笠置シヅ子の半生をモチーフに描く音楽劇。幼い頃にテレビで見た家族対抗のど自慢番組の審査員席に座るご本人が記憶に残る。あとカネヨンのCMとか、爆笑問題のJUNKのトークを聴いていて思い出したよ。

これまでの朝ドラ同様、あくまでご本人をモチーフと扱い脚本はオリジナル、ご本人のエピソードをアレンジ。主人公の名も笠置シヅ子ではない。ただ歌われる楽曲は全てご本人のものとなる。民放で「美空ひばり物語」をドラマ化すれば、登場人物の名は全て本物。国営放送NHKによる制約があるにしろ、印象は変わる。

ただご本人とのエピソードの違いはネット記事に任せ、ドラマとして終盤盛り上がりに欠けた点は同意。このドラマに対し個人的に思ったその原因は、最初から最後まで物語を駆け抜けた登場人物が少なかった事だ。福来スズ子、羽鳥夫妻、茨田りつ子くらいだろう。

朝ドラは主人公を巡る群像劇。しかしこの「ブギウギ」では毎週次々と現れたキャラクターが、週単位で切り捨てられていった感が毎週観ていて強かった。たとえ魅力的な人物を描いても、パズルのピース以上には使われず。ただ笠置シヅ子ご本人の家族を巡るエピソードは事実以上に描けないから仕方がない部分は理解するけど。

このドラマで良かったと思うのは一つは音楽の素晴らしさ。そしてもう一つは戦争を真正面に扱った事。笠置さん自身、弟さんを戦場で失った事実。「大空の弟」に込めた想い。この重みと劇中の戦争体験はドラマとはいえ、感情移入せざる得なかった。茨田りつ子と特攻隊のエピソードも胸が詰まる思い。

スズ子を演じた趣里の演技の幅の広さに感嘆する。戦後を描いた「ほかげ」での彼女とは別人(こちらも素晴らしい作品)。歌に踊り、ドラマの中の彼女は間違いなく福来スズ子でした。本当に半年間お疲れさまでした。(おしまい)

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