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2024/03/10

「アメリカン・フィクション」を観る

今日はAmazonプライムビデオで「アメリカン・フィクション」を観た。明日発表、今年のアカデミー賞作品賞、主演男優賞、助演男優賞にノミネートされた作品。日本未公開だが、配給元のMGMがAmazon傘下となったために観る事ができた。そもそもアカデミー賞候補だからといって日本で観られるわけではないが、その点では少し嬉しい。冒頭のアメリカンジョークについていけなかったが、少しずつこの作品の毒がクセになっていった。

主演は大好きな俳優のジェフリー・ライト。007のCIAフリックス・ライターから「ウエストワールド」のアンドロイドまで演じてきているが、今回はコメディー。如何にも真面目な風貌の彼が演じるのは実力はあるも売れない小説家。少なからずファンはいる反面、本人の認識とは別に黒人文学に分別されたり、燻っている最中だった。だが家族の死別の後に手掛けた作品が大きな反響を受ける事になる....

物語は出版界や映画界への皮肉を軸に現代アメリカ社会を映しつつ、家族や人間関係を描いていく。マーケティング至上主義、その内情と葛藤する主人公の姿はまさにコメディー。そんな立場にジェフリー・ライトはよく似合う。主人公の名前はセロニアス、ミドルネームはモンク。知る人ぞ知るジャズ・ピアニスト奏者セロニアス・モンクを模したものだが、かといって彼の演奏が映画の中で流れるわけではない。

一方で家族関係は複雑。兄妹(その兄はいわく付き)は医者だし、唯一仲の良かった父(故人)は他の家族と袂を分かつ。そしてモンクの母親の姿は現代社会の鏡。この作品全般毒の効いたコメディーだが、母親の描写だけはシリアスで少しだけ温かい。激しいサイレンで駆けつけた救急車を見て血相を変えるセロニアスの件、その顛末にはとても笑ってしまったが。

結末、実は何を観させられていたか。「アメリカン・フィクション」というタイトルはそれを物語っているのでは?映画が描くものとは?ストーリーテリングの中でまんまと嵌められてしまった気がする。この作品なら劇場で観たかったなぁ。

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