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2024/02/18

「スケアクロウ」【午前十時の映画祭13】を観る

今日は盟友N氏と午前十時の映画祭13で「スケアクロウ」を観てきた。1973年公開のアメリカ映画。ジェリー・シャッツバーグ監督でジーン・ハックマン、アル・パチーノ出演のアメリカンニューシネマを代表する一作。ヒッチハイクで意気投合した二人が助け合いつつ人生を模索する姿を描くロードムービー。

名優二人が脂の乗り切った時期にがっぷり四つの共演。社会の底辺で足掻き苦しむ...というにはユーモアに溢れる。ただ作品の読後感は少々ほろ苦い。刑務所上がりのマックス=ハックマンと元船乗りのライオネル=パチーノが目指すそれぞれの目的。だが映画のテーマはそれを達する事でなく、先に進めない歯痒さに思えてくる。

例えば用意周到そうなマックスは妹に「少し抜けている」と言われるし、そんなマックスを支えるライオネルは気が利く奴ながら調子に乗るあまり刑務所でボコられた後、電話のある一言でどん底に突き落とされてしまう。そこで男気をみせるマックスとあるオチが可笑しい。この映画はそんな人間の魅力を描こうとしている。

近年のハリウッド作品の作り物感と異なり、時代を映し出す空気感が心地良い。冒頭の砂塵溢れる道路、場末のバーとか。突然踊り出すマックスに驚き、笑う観客達のライブ感。ここは台本に無い表情を撮っているだろうなと思う。もちろんハックマン、パチーノの演技も素晴らしい作品だった。

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