2023年総決算「劇場映画篇」
今年劇場で観たのは新作62本、旧作18本で計80作品。毎週映画館に通い、週1.5本観た事になる。たぶん人生過去イチ映画館へ通った年かもしれない。コロナが5類移行し、形式上元の社会に戻ったが、まだまだ油断禁物。そしてそんな今年、新作から個人的劇場公開作ベスト10プラス1は以下の通り。4位以下は順不同でもいい位の僅差。
1.「ベネデッタ」
6.「福田村事件」
11.「TAR/ター」
ベスト1はポール・バーホーベン監督作品.「ベネデッタ」。ハリウッド、ヨーロッパ産問わず自分色の濃い監督らしい問題作。17世紀イタリアを舞台に感情と本能を揺さぶる史実と創造、〇〇〇の極致。故に泣きどころは家族団欒不可のR18+。いや、むしろ一人で観るべき映画かもしれない。
2位は.「モリコーネ 映画が恋した音楽家」。映画ファンに留まらずそのメロディー知らぬ者がいない、そんなモリコーネの音楽人生を自身のインタビューと記録映像で綴るドキュメンタリー。本作の監督、盟友の一人でもあるトルナトーレからのラブレターでもある。沢山の作品に関わり、登場する俳優陣も豪華。
3位は「キラーズ・オブ・ザ・フラワームーン」。レオナルド・ディカプリオ、ロバート・デ・ニーロ出演、マーティン・スコセッシ監督の3時間超の大作ながら、全く時間を感じさせず、アメリカの暗部を抉るような歴史劇。ネイティブアメリカンに近づく親しき隣人の目的とは。ハリウッド産ながらもその視点は貴重。
4位は「ザ・フラッシュ」。DCU名義ながらDCEUの総決算的快作。フラッシュがバットマン=マイケル・キートン、スーパーガールと共にゾッド将軍、そして超速と共に過去とマルチバースへ立ち向かう。サッシャ・カジェ演じるスーパーガールに見惚れるファン多数。そして惜しみない怒涛のプロットに感涙。
5位は.「PERFECT DAYS」。ヴィム・ヴェンダース監督、役所広司主演のヒューマンストーリー。観たばかりのせいもあるが、心に刺さるエピソードも多い。カンヌ映画祭最優秀男優賞に相応しい役所の身のこなしと演技。日本人とは違った視点から見た東京が興味深い。そして音楽もいい。
6位は「福田村事件」。関東大震災直後の千葉県福田村で起きた事件をドキュメンタリー作品で知られる原一男が撮った初の劇映画。丁寧な描写であぶり出す時代背景と人間関係。だがその均衡が破れた時、物語は大きく動き出す。その瞬間、ただスクリーンを刮目するしかなかった。
7位は「仕掛人・藤枝梅安2」。生誕100年池波正太郎を記念し再映画化。たとえリキャストされようとも継がれる様式美と王道、そして時代劇健在を思わせる。豊川悦司の梅安は男が見ても惹かれる。先行劇場公開された「仕掛人・藤枝梅安」とセットで観るべき。
8位は「BLUE GIANT」。人気ジャズ漫画をアニメ映画化。こちらも音楽映画の王道を往く作りで物語に引き込まれた。そしてアニメの進化は止まらない。演奏シーンと上原ひろみによる音楽の融合。久しぶりにサントラも買ってしまいました。
9位は「エリック・クラプトン アクロス24ナイツ」。今年音楽映画を観る事が多かったが、やはりこれだろう。最も洋楽を聴いた時期のクラプトンに会える幸せ。今の落ち着いた彼の姿もいいが、復活し脂の乗り切った90年代の名演が素晴らしい。
10位は「ジョン・ウィック:コンセクエンス」。今年短期間で惚れ込んだクライムエンターテイメント、独特の様式美にガンアクション。キアヌ・リーヴスの新たな当たり役。シリーズ最後は真田広之とドニー・イェンを堪能するための映画でもある。
エクステンデッドな11位は「TAR/ター」。難解だがとにかく凄い映画。主演のケイト・ブランシェットは音楽家にしか見えない。そんな彼女が世間の羨望の中、転落していく様が怖い。教養を持っていればいるほど多くの見返りがあろう。
今年のワースト1は「アントマン&ワスプ:クアントマニア」。向かう所敵なしだったMCUの没落。「エンドゲーム」「スパイダーマンNWH」でピークを迎え、マルチバースの扉を開いた時、歯車が狂い始めた。色々ケチも付いたし。本当に面白くなかった。もう一つワースト1は「ドリーム・ホース」。実話のわりに感情移入もなく終始冷めて観ていた。普段の競馬のほうがよっぽどドラマがあるような....
ベスト10外も甲乙つけ難い作品を挙げると「ケイコ 目を澄ませて」、「イニシェリン島の精霊」、「仕掛人・藤枝梅安」、「フェイブルマンズ」、「Winny」、「ロストケア」、「逆転のトライアングル」、「AIR/エア」、「怪物」、「スパイダーマン:アクロス・ザ・スパイダーバース」、「君たちはどう生きるか」、「イノセンツ」、「こんにちは、母さん」、「PATHAAN/パターン」、「クライムズ・オブ・ザ・フューチャー」、「コンサート・フォー・ジョージ」、「クリーデンス・クリアウォーター・リヴァイヴァル トラヴェリン・バンド」、「ゴジラ-1.0」、「SISU/シス 不死身の男」、「首」、「ナポレオン」、「鬼太郎誕生 ゲゲゲの謎」、「ほかげ」 と言ったところ(順不同)。
それぞれのレビューアーカイブ
劇場新作、劇場旧作、配信映画・ドラマ等。
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