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2023/10/14

2023夏ドラマを振り返る(観たものだけ)

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夏季ドラマの放送がひと通り終わったのでその満足度を100点満点、感想をまとめてみた。ただし観たものだけ。月曜から曜日順に。

転職の魔王様(満足度80点)
成田凌、小芝風花主演、転職エージェントを通して描くお仕事ドラマ。カンテレ、月曜10時はノンジャンルながら一定のクオリティを確保で本作も面白い。ご時世を反映、しかも身につまされるような話も多かった。ただその反面、これ程容易に転職できるのかという疑問も立つ。本作で挿入される視点、お仕事風刺は興味深かった。

シッコウ!!~犬と私と執行官~(満足度75点)
伊藤沙莉、織田裕二主演の執行官の姿を描いたこちらもお仕事ドラマ。人間関係構図は転職の魔王様と似てる。ただ多くの人にとって執行官は未知の世界ゆえにコミカルの中にあるリアルが面白かった。一歩下がった立ち位置の織田裕二の新境地。芸達者が集まって見応えはあったものの、物語にワンパンチ足らないところも。

18/40~ふたりなら夢も恋も~(満足度80点)
深田恭子、福原遥主演の年の差を超えた友情ドラマ。物語全体に付き纏うファンタジー感はあっても、抱える問題の難しさや描かれる女性のリアルに目が留まる。またホームドラマとして新しい家族の形を描いたところが良かったと思う。深田恭子は相変わらずの可愛さ美しさ。安田顕、片平なぎさらベテランの演技と存在感も良かった。

ハヤブサ消防団(満足度85点)
池井戸潤原作、主人公の作家が子供時代を過ごしたハヤブサ地区を訪れ、その中で起こるミステリー。気持ちいい田園風景と人情がやがて気持ち悪い世界にすり替わっていく。その過程が我々の現実世界の出来事とダブって怖い。旬の俳優が集まったハヤブサ消防団の個性が面白い。中村倫也のメリハリ、川口春奈の不気味な演技もいい。

この素晴らしき世界(満足度80点)
有名女優とそっくりな事から主人公が巻き込まれるファンタジックコメディ。キャスト交替も風丘先生こと若村麻由美の美しさと安定感がドラマを支える。ご時世っぽい登場人物たちで最終回に向けて「淋しいのはお前だけじゃない」風の展開もツボだった。個人的には映画「MONDAYS」の永久部長マキタスポーツと円井わんちゃんの共演(画面上で一緒に映らなかったけど)が興味深い。

トリリオンゲーム(満足度70点)
SnowMan目黒蓮主演、マンガ原作のドラマ化。かつてドラマの老舗、今のTBS金曜ドラマの変質を表したような。サクサク進む展開が今風ながら、おそらく原作以上のテンポが祟ってドラマが薄い。同じ内容で1.5クール以上は必要だったのではと思う。それなりには楽しんだけれど。今田美桜ちゃんは旬、どんな役でもこなすよね。

警部補ダイマジン(満足度75点)
生田斗真主演、「クロコーチ」原作コンビ、三池崇史監督による警察裏組織を描いたドラマ。物語の面白さ不気味さはあっても三池テイストの濃さがどうも性に合わない。それと話数の関係で物語未完、尻切れトンボで終わりガックリ。ただ44と別班が同じクールで描かれたところが偶然といえ面白い。

やさしい猫(満足度75点)
スリランカ人の夫と結婚もオーバーステイにより入管施設と離れ離れ、国と裁判で争う事に。入管施設の件はあの事件を思わせるも、「何故オーバーステイ?」という点で冷めてしまう。ただ主人公たちの出会い、互いの文化を理解し合うところには共感する。また優香と伊東蒼の演技も良かった。

最高の教師 1年後、私は生徒に■された(満足度85点)
卒業式で高所から突き落とされた教師が死と共に一年前へタイムリープ。その犯人を探りつつ、荒廃したクラスを立て直していく。ある意味、もう一つのブラッシュアップライフ。緊張感漂う松岡茉優や芦田愛菜の演技、個性溢れる生徒たちもいい。ヒール役加藤清史郎にも嫌いになる程やられた(いい意味で)。只々最終回の駆け足感だけが残念。

VIVANT(満足度85点)
「半沢直樹」のドラマ演出、福澤克雄が原作を手掛けたオリジナルドラマ。日本のテレビを超えたスケール感、豪華キャスト、謎が謎を呼ぶ物語、別班、主人公の過去と伏線が絡み合い想定外の展開が待っている。一方スケールの大きさに反しパーソナルなところに帰結するのはこの手のドラマではある事。次シーズンの伸び代に期待。感想は別枠にも。

CODE-願いの代償-(満足度55点)
CODEと呼ばれる希望を叶えるアプリ。だがその裏で起きていた出来事、恋人の死の真相を探るサスペンス。物語の始まり、最終回でのAIの不気味さに面白い点はあってもこれだけの演者が集まっても終始何処かもの足らなかった。主人公に何故の行動も多く、物語がご都合主義だった点もマイナス。

何曜日に生まれたの(満足度85点)
野島伸司脚本、20代ひきこもり女性すい、取材の一環でアポしてきた作家、すいの同級生らによる群像劇。主題歌ザ・ホリーズの「バス・ストップ」がいい感じで絶妙に物語を表現。その交流で心を開き始める主人公と友人たちが過去を清算する過程が面白かった。そして背景に控えるすいと公文の関係性が最終回に向かって逆転していくのもいい。

わたしの一番最悪なともだち(満足度80点)
NHKの帯よるドラ。蒔田彩珠が主演、「ベイビーわるきゅーれ」の髙石あかり共演。タイトルはやがて解るミスリード(最悪=最良)。主人公の映す誰も抱く悩みとぐだぐだ感に少々イライラするが、それも持ち味。結局人とは互いに助け合い、それぞれ唯一無二な存在だと思わせる。最終回に向けての伏線回収も面白い。微妙な関西弁を操るマッサージ師、白石麻衣にウケた。

以上が観た今季ドラマの感想。まず個人的な意見だが、日曜夜寝る前(22時以降)に人の死を見たくないし、月曜に向けて希望が欲しい。その点でテレ朝の新枠はクオリティが高くかつ、2作連続でその点が踏襲されていた。次作も上手くいってほしい。

70点以上のドラマは及第点。総じて80点以上のドラマはどれも良かったなぁ。もちろんここでは出なかった傑作「しずかちゃんとパパ」もね。さて冬ドラマはどうするか。(おしまい)


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