「あまちゃん」を観る(完走)
今朝、朝の連続テレビ小説「あまちゃん」(全156回)を観終わった。本放送は2013年。当時は見逃してしまったが、今回の再放送は有り難い。そしてただひと言、朝ドラ史上最高傑作と思える素晴らしい作品だった。今はこの作品が愛される理由がよく分かる。
宮藤官九郎オリジナル脚本、北三陸を舞台に3世代母娘の姿を描く。前半は祖母の夏、中盤は主人公アキ、後半は母の春子によるナレーション。もちろんタイトルの「あまちゃん」はアキを指しているのだが、終わってみると天野家のあまちゃんでは無いかと思わせる。それ程に3人が物語に絡み合い、周りの人々との群像劇、喜劇を繰り広げていく。
物語は2008年から2012年夏までのアキを主軸に母・春子、祖母・夏の過去も遡りつつ、我々の辿った出来事、音楽、文化が惜しみなく出てくる。こうした試みのドラマ、映画は多いが、この作品程成功しているものも珍しい。世代を超えて惜しみなくテーマであるアイドルが織り込まれている。きっとクドカンもめちゃ好きなんだろうなぁと。
そんな昭和アイドル世代最大の感涙ポイントは、同世代のキョンキョンと薬師丸ひろ子が同じフレーム内に収まって芝居をしているところ。最終週、春子の部屋ではしゃぎあう二人を見たら嬉しくなった。そしてある意味主題歌である「潮騒のメモリー」を通して作品を超えて二人のアイドルが繋がる、最終回を観てそんな感慨に溢れた。
物語がしっかりできているからディテールを注ぐとより深まり、好循環で物語が進む。昭和アイドルの原点に橋幸夫と夏ばっばのエピソード、鈴鹿ひろ美と春子が描く昭和アイドル、現在のAKB系を模したアキたちグループ。その後見人の如し松尾スズキ演じる甲斐とか、アイドルオタクのヒビキとか。NHKもレッツゴーヤングの映像を使ってくれて楽しい。
音楽劇、群像劇として素晴らしいが、結局は3世代母娘の成長と絆の物語。この半年間、感情移入はこの上なし。祖母目線を表す宮本信子の懐の深さ。演技、台詞回し、表情と今も第一線、キョンキョンって凄いなぁ。そして初々しい能年玲奈の弾けるような 演技、存在感。観終わって間違いなくロスは訪れているけど、毎話これ程に前向きなドラマに出会えて良かった。(おしまい)
追伸.
初回放送当時の年末、紅白歌合戦を生でぼけーっと観ていたけど、今思うと凄い映像だったのだなぁと。録画を消してしまったのが惜しまれる。あまちゃんのサントラが欲しくなったよ。「さかなのこ」も今観るとまた違った印象を受けるだろうなぁ。
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