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2023/09/18

日曜劇場「VIVANT」を観る(完走)

TBSテレビ日曜劇場「VIVANT」を観終えた。日曜劇場というと東芝がメインスポンサーだった頃はファミリードラマの時間枠だったが、近年は重厚な作品に変わっていった。最たるは「半沢直樹」。そのメイン演出、福澤克雄が原作を手掛けたのが、今回の「VIVANT」だった。

放送前からキャスト以外の情報が流れずに内容不明。物語が進みその理由は明らかになる。そう、国の闇組織を描くからだ。しかも荒唐無稽な組織でなく、「別班」と呼ばれ、以前国会でも話題になった。情報漏れて圧力が掛かるのは世の常。ならばズバリ、先に放送したもん勝ち。

物語はテレビの枠を超えてダイナミック。モンゴルロケにカーアクション、車両破壊と「西部警察」を彷彿とさせる第1話。第3話までは巻き込まれ系主人公乃木がヒロイックな公安、野崎の助けで繰り広げる冒険劇。だが第4話でその関係性が逆転する。そこからが物語の本番。きっと福澤氏の見せたかったものなのだろう。

皆、007のMI6よろしくこういう組織が大好き。トム・クルーズ「ミッションインポッシブル」のような豪快アクションもいいが、このドラマでみせる細かな凄み(2発の銃声とか、バナナとナイフとか)も面白い。リアルと空想のバランスも絶妙。そして諜報活動も日本っぽい。実在する(であろう)こそ興味は深まる。その指令がキムラ緑子ってなのもツボ。

SNSは"VIVANT考察"で盛り上がったが、個人的には考察よりも受動的に楽しんだ。最終回前に2周目を楽しんだドラマは初めて。何しろ細かいツボが隠れてる。見直して気づいたが、セリフの端々に「ダーティハリー」、しかも吹替版のセリフが隠れてる。「やれやれ」なんかは多い。「こん畜生」もあったなぁ。

「スターウォーズ」もそう。これは予てから指摘されてたけど。それに最終回、ある裏切りに気づき、緊急帰国する乃木の恰好はまんまルーク・スカイウォーカーだったからなぁ(ちなみに"ある裏切り"は2周目で確信したし、当たってました)。それだけでなく「レザボア・ドッグス」(っていうか西部劇か)も出てきたし。

いや、なんだかんだ「VIVANT」ってTBSドラマの潮流だったんだよなぁ。海外ロケ、警察、秘密組織とくれば「キーハンター」「Gメン75」まで遡る。それを製作陣が意識していたかは判らないけど。まだ未回収の伏線もあるけど、それはシーズン2への布石という事で楽しみに待ちます。(おしまい)

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