「しずかちゃんとパパ」を観る(完走)
NHK火曜10時のドラマ「しずかちゃんとパパ」(全8話)を観終わった。「VIVANT」ばかりに注目が集まった夏ドラマだがベクトルこそ違えど、この作品こそ今期最高だったように思う。
今期というのは正しくないかも。実は昨年BSプレミアムで放送され好評を博したこのドラマ。当時、観る機会を逃すも得た今回。ラジオショーでナイツ塙さんが笑福亭鶴瓶のゲスト回に「昨年最高のドラマ」と評していた。その言葉に間違いはない。
耳の聞こえない父と健常者の娘(そのような子を"コーダ"と呼ぶ)親子を描くホームドラマ。時期的に「コーダ あいのうた」が米アカデミーを受賞した直後で二匹目のドジョウと思われるが、ドラマ作りはそんな安直じゃないだろうし、それ以前に準備されていただろう。
田舎町のミノワ商店街を舞台に主人公しずか親子と街の人たちによる群像劇。しずかの父を演じたのが鶴瓶で唯一無二の存在感。名優に異論無し。毎話、琴線に触れる物語のトドメであの笑顔にやられる。判っていてもヤられる。ある意味、反則。
娘しずかを演じたのが吉岡里帆。かつて"あざとい"と言われた存在感を本作では逆手に取った感じ。しずかの姿を通してコーダ特有のエピソードが重なる。手話を交えた鶴瓶との会話、そのやり取りに演技を超えた親子の姿を感じた。
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