「らんまん」(完走)
朝の連続テレビ小説「らんまん」を観終えた。高知県出身の植物学者・牧野富太郎をモデルにした偉人伝。ただモデルと謳っている通り、主人公の名は万太郎となって違うし、一部エピソードは史実と異なっていたよう。「舞いあがれ!」のような尻つぼみさは無かったが、最後までテンションの上がる作品で無かった。
序盤は朝ドラらしく、主人公の成長とやりたい事への動機が描かれていく。そこまではこれまでの作品同様の印象を持ったが、やはり少年期から神木隆之介演じる万太郎に物語が移ってからが物足らなかった。その理由を考えると単に主人公(牧野氏)の経験をなぞっているだけに思えたからだ。
東大への出入り、石板印刷、会誌発行、研究室内の軋轢。ここまで人間関係を丁寧に描いていた分、ほぼラスト一ヶ月は最終回へ向けて駆け足。ただ全般的に主人公側の精神的な成長はあまり感じなかった。"変わらない人"という見方もあるが、主人公に魅力を感じない要因にもなる。朝ドラにこそ感情移入できる主人公が必要。
そして主人公に対し、浜辺美波が演じた妻・寿恵子のほうが輝いて見えた事が大きい。ほとんどの視聴者にとって上京以降の主人公は寿恵子だったのでは。いや浜辺美波を見るためにこの朝ドラを最後まで見続けたのが正しい。実は「シン・仮面ライダー」の時と同じ構図。しかも家計と万太郎の研究を絶対的に支えたのは寿恵子の手腕だったのだし。
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