「ザ・ホエール」を観る
今日はダーレン・アロノフスキー監督作品「ザ・ホエール」を観てきた。ブレンダン・フレイザーが今年の米アカデミー主演男優賞を受賞。巨体で引きこもりの講師チャーリーが別れた娘への贖罪を描く異色作。これまで「マザー!」等この監督さんにして異色以外は考えられないのだけれど。
本作は舞台劇を映画化。設定は明らかに舞台向き、体重270kgとスタスタ歩く主人公ではないので納得。長身のブレンダン・フレイザーがVFXの力を得て全くの別人に変貌、オスカー級の演技で圧倒した。スクリーンの中ではチャーリーが存在し、この映画最大の見どころである。
さらにA24とのタッグで一筋縄でいかない物語。ただ序盤は巨体にまつわるエピソードに目が行き、あまり自分に入ってこなかった。だが娘へのいは徐々に、冒頭から出てくるハーマン・メルヴィルの「白鯨」をモチーフにクライマックスで昇華されていく。
娘のエリーを演じているのが「ストレンジャー・シングス」のマックスことセイディー・シンク。いつもは日本語吹替で接してきた彼女の演技。まるで奇をてらったようなエリーの行為がやがてチャーリーを救いに導く。引き付けられるようなチャーリーのラストシーンはファンタジーだ。
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