「イニシェリン島の精霊」を観る
今日は映画の日。そこで仕事帰りに「イニシェリン島の精霊」を観てきた。「スリー・ビルボード」のマーティン・マクドナー監督作品。20世紀初頭、アイルランドのイニシェリン島が舞台。突然、友人から出された絶縁。主人公は戸惑いの中、修復を図ろうとするのだが...
映画前半はイニシェリン島の自然、素朴な村社会の描写も中盤突如ダークな展開に。序盤、コルムからの絶縁を冗談と信じないパードリック。だが目を覆うような出来事に我に返る事無くお互い深みに嵌っていく。アメリカの賞レースではコメディ扱いでかなりブラック。大人のおとぎ話ともとれる。この映画、落語に例えるとオチは無いけど。
パードリックとコルム以外、村社会を表すように登場人物は少ない。中庸な人物はパードリックの妹くらいか。その性格は極端、一癖二癖ありの人ばかり。この物語はパードリックとコルムの関係性に尽きる。始まった諍いを終わらせる事はできるのか。この二人、始まりは突然も終わらせ方を知らずに。
嫌気がさして島を出たパードリックの妹が街の生活を満喫する言葉を綴った手紙。その時、パードリックとコルムの諍いはまさに対岸の火事の如し。二人の姿に今世界で起きている様々な紛争がダブってくる。島の村人もその隣国に見えてきた。確かに村の老婆、島の警官さえきな臭い。
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