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2023/02/18

「ヒトラーのための虐殺会議」を観る

今日は「ヒトラーのための虐殺会議」を観てきた。第二次大戦中の1942年1月、ドイツ高官が集まり行われたヴァンゼー会議。『最終解決』とされるユダヤ人に対する政策討議をその議事録を基に再現、映像化した。

観終わって知る事になるが、この作品は本国ドイツでテレビドラマ(映画)として作られたもの。議事録に沿っているから"淡々"と進むのは当然。映画的な演出は一切ない。会社の会議のように何度かの休憩を挟み、ビジネスライクな約90分の討議が再現される。何とエンドロールは無音、耳鳴りと後ろの老夫婦の話し声だけが聴こえた。

出席する高官のセリフじゃないが「覚えきれない」15人の出席者。リードする国家保安本部長官以外は討議が進むごとに関係性が明らかになる。各々の立場でユダヤ人の処遇(命)を合理的、効率的に対処したい思惑が交錯。中には情を匂わせる言動が少しだけあっても、その最終解決に至る合議は非情。あとは歴史の知るところ。

討議内、高官同士の交わす言葉がまるで〇〇〇〇のツイッターのようで胸くそ悪くなる。一方、休憩で豪華な食事をとる違和感。国家主義の下、混血1/2だからいい悪いと言い合う討論をしたり、功労者の処遇さえ騙し討ちにゴミ扱い。法の下と言いつつ差別的、彼らに感情は無くバイアスが掛かったまま討議を終えていく。

あまりにプレーンな作りゆえに映画として物足らないかも。体調のせいか序盤は観ていてキツかった。ただ討議が核心に進んでいくにつれて画面に引きこまれた。討議を終えたのちのユダヤ人の運命、それぞれの場所へ帰っていく彼ら高官たちの運命。戦争は人の心を麻痺させる。今世界がこんな時こそ観ておいたほうがいい作品だと思う。

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