連続ドラマ「池袋ウエストゲートパーク」を観る
Netflixで「池袋ウエストゲートパーク」(全11話+スペシャル1話)を観た。TBS、2000年4-6月期の金曜9時ドラマ。石田衣良原作で脚本は宮藤官九郎。演出は堤幸彦でオフィスクレッシェンド制作と当時の勢いを感じる布陣。そして主演はTOKIO長瀬智也。共演者は皆、今ならドラマの主役級が並ぶ。今回が初見。何故放送当時、観なかったのか不思議。
池袋西口公園を舞台にアウトローのマコトと衝突するギャング二大勢力、そこにマコトに降りかかる殺人事件が絡み合う群像劇。20年前のドラマながら古さを感じないストーリーで、今やクドカン節として知られる笑いとシリアスの緩急に圧倒される。携帯電話やインターネットに当時の風俗、カルチャーが懐かしい。
何しろ長瀬演じるマコトのキャラクターが際立っている。サブキャラ(窪塚洋介、阿部サダヲ、きたろう等)も皆尖っているが、それを御すように圧倒的な存在感。これまで長瀬の演じてきたキャラは皆、その雰囲気に当て書きしたようにマッチするのだが、マコトはドンピシャ。若さ溢れる長瀬と同化していた。
一方、マコトに警察側から対峙するのが渡辺謙演じる横山。長瀬と渡辺がガップリ四つ、彼らの緊張感ある演技が重要。例え大半のシーンがおチャラけても、このドラマのサスペンスな部分は揺るがない。命を奪われ、あるいは傷つけられた者へのマコトの怒りに笑いは一切要らないからだ。
もう一つの軸、裏でうごめくヤクザとギャング抗争は一触即発の雰囲気が漂う。だがクライマックス、トラブルの元凶は身近なところにある事を知り、血まみれ、ボコボコの顔で仲裁するマコトが悲しい。しかもマコトを心身追い込むような出来事が物語の収束としても重い。
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