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2023/01/14

「モリコーネ 映画が恋した音楽家」を観る

今日は盟友N氏と「モリコーネ 映画が恋した音楽家」を観てきた。多くの映画音楽を手掛けてきたエンニオ・モリコーネの仕事、音楽と映画で綴る旅。デビュー作からコンビを組んだジュゼッペ・トルナトーレが本作の監督を務め、5年以上密着した本人インタビューとアーカイブ映像でまとめたドキュメンタリーである。

まず観てよかった。映画ファン歴が長いほどに同じ時間を過ごし、かつその時代を想起するだろう。「アンタッチャブル」が流れると今は無き静岡県東部最大のスクリーン(当時)を思い出したもの。それだけに限らず、実はモリコーネ、学生時代からの繋がりだったセルジオ・レオーネ監督「荒野の用心棒」の口笛が響くと嬉しくなる。

モリコーネはそのキャリアを母国イタリアからヨーロッパ、ハリウッドへと活躍の場を広げていく。だからこそ贅沢な映画。この作品一本にイーストウッド、デニーロ、ドロンにベルモンド....世界の大スターたちの名シーンを凝縮。しかもモリコーネの創作エピソードにメイキングは映画ファンにはお宝ばかり。「ワンス・アポン・ア・タイム・イン・アメリカ」のエピソードは最高だった。

トルナトーレ監督はそんなモリコーネの軌跡を丁寧にかつ優れた構成で見せる。キャリアに影響を及ぼしたであろうエピソードをテンポよく繋いでいく。しかもモリコーネ自身のコメント、リズムを刻む指先と実際の音楽がシンクロし、観ている側まで惹き込まれる。2時間半を超える映画ながら最後まで知的好奇心を刺激され、終わりが来る事が惜しくなる程に。

映画は温故知新、モリコーネの音楽を伝えていく世代、冒頭の映像に戻るように結ばれていく。本作にも出演するジョン・ウィリアムズらと共に映画音楽の発展に務めた功績に感謝しかない。そして改めてスクリーンで彼の手掛けた作品を観たくなる。映画ファンなら絶対に観るべき作品だ。

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