「モリコーネ 映画が恋した音楽家」を観る
今日は盟友N氏と「モリコーネ 映画が恋した音楽家」を観てきた。多くの映画音楽を手掛けてきたエンニオ・モリコーネの仕事、音楽と映画で綴る旅。デビュー作からコンビを組んだジュゼッペ・トルナトーレが本作の監督を務め、5年以上密着した本人インタビューとアーカイブ映像でまとめたドキュメンタリーである。
まず観てよかった。映画ファン歴が長いほどに同じ時間を過ごし、かつその時代を想起するだろう。「アンタッチャブル」が流れると今は無き静岡県東部最大のスクリーン(当時)を思い出したもの。それだけに限らず、実はモリコーネ、学生時代からの繋がりだったセルジオ・レオーネ監督「荒野の用心棒」の口笛が響くと嬉しくなる。
モリコーネはそのキャリアを母国イタリアからヨーロッパ、ハリウッドへと活躍の場を広げていく。だからこそ贅沢な映画。この作品一本にイーストウッド、デニーロ、ドロンにベルモンド....世界の大スターたちの名シーンを凝縮。しかもモリコーネの創作エピソードにメイキングは映画ファンにはお宝ばかり。「ワンス・アポン・ア・タイム・イン・アメリカ」のエピソードは最高だった。
トルナトーレ監督はそんなモリコーネの軌跡を丁寧にかつ優れた構成で見せる。キャリアに影響を及ぼしたであろうエピソードをテンポよく繋いでいく。しかもモリコーネ自身のコメント、リズムを刻む指先と実際の音楽がシンクロし、観ている側まで惹き込まれる。2時間半を超える映画ながら最後まで知的好奇心を刺激され、終わりが来る事が惜しくなる程に。
| 固定リンク
コメント