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2023/01/13

「ドリーム・ホース」を観る

今夜は映画館で「ドリーム・ホース」を観てきた。ウェールズの片田舎、その村人たちを共同オーナーとする馬が障害競走の大レース、ウェルシュナショナルを勝った実話を基に描いたドラマ。「アバウト・ア・ボーイ」等のトニ・コレットが主人公ジャンを演じる。

日常に不満だらけのジャンは馬を育て、レースに出そうと思い立つ。自腹で牝馬を購入。そして村人に資金援助を募り、種付けして生まれた馬「ドリームアライアンス」(=夢の同盟)と名付けた。懸命な彼の走りはやがてジャンたちの生きがいに変わっていく。そしてあるレースの途中で思わぬ出来事が起こってしまう。

競馬と映画が好きとなればこの作品は外せない。「のるかそるか」や「シービスケット」等、競馬映画に名作は少なくないが、本作のデキはイマイチ。終始感情の行きどころが無く、置いてきぼりを喰った感じ。主人公たちの馬への思いはわかるが、最後は冷めて観てしまった。

主人公ジャンはいわゆるオーナーブリーダー(馬主兼生産者)。初めて生産した馬がこのドリームアライアンス。死産した母馬と仔馬、その誕生にはもっとドラマがあるはずなのにあっさり。しかもあっという間に成長。調教師への預け入れもすんなり(ちょっとだけ揉めたが)。競走馬の生産を知らないとそんなもんかと思うだろうが、その辺からディテールが甘い。

そんな感じでこの映画は進むも、主人公となるべきドリームアライアンスがその位置にいない。結局、起きた出来事を追っただけに終わっている。全体に平坦なせいでトニ・コレットの演技が過剰に感じてバランスが悪く感じた。競馬をドラマにするのは相当に高いハードル。競馬自体、毎レースドラマみたいものだもの。これだったらドキュメンタリーのほうがいい。

追伸.
日本の競馬ファンならやっぱオジュウチョウサンのドキュメンタリーを観たいなぁ。ちなみにドリームアライアンスの血統表はこちら

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