「DAICON FILM版 帰ってきたウルトラマン」を観る
今日はAmazonプライムビデオで「DAICON FILM版 帰ってきたウルトラマン」を観た。「シン・ウルトラマン」アマプラ独占配信に併せたサプライズ。庵野秀明監督が大学在学中に製作した作品として知られる。80年代当時、アニメ雑誌「アニメック」を購読していた身には幻の作品。ネットなどまだ無い頃、記事に思いを巡らせるも動く画を見る術は無かった。
アマプラで改めて観直した「シン・ウルトラマン」の後、本作を初めて鑑賞した。まず思ったのは映像のクオリティと情熱は反比例する事。約28分の短尺ながらも本作は熱い。音楽はウルトラシリーズの劇中のものを使用。そんなオリジナルへの敬意は庵野監督の「シン」シリーズに相通じる。
物語は市街地に怪獣が登場するシンプルな展開。だが歯が立たぬ攻撃に地球防衛軍からある指令を受ける事になる。その指令がなかなか重い。脚本はあの岡田斗司夫。他スタッフの名を見ていけばあのガイナックスが思い浮かんでくるだろう。そして島本和彦の「アオイホノオ」の世界観、人物がその背景でもある。
メカデザインは庵野監督によってリファインされ、マットアローはイーストウッドの「ファイヤーフォックス」に似たものになった。マットアローやマットジャイロ、そして汚しや造形に至るまで高レベル。さすがはゼネラルプロダクツ(のちのガイナックス)。当時ゼネプロのガレージキットは模型雑誌「ホビージャパン」の広告にも出ており、作る技量は無かったけどジェットビートルは欲しかったなぁと思い出す。
そして玄人はだしの特撮も見どころ。しかもミニチュアの出来が8㎜映像と相まって味がある。だからといって手抜き無し。「シン・ウルトラマン」を観た後でむしろ「クオリティと情熱は反比例」とはまさにそれで、映像作りの創意工夫が垣間見え、むしろこちらのほうを推したくなる。しかも奇をてらった画(構図)は短編だからこそ活きる気がする。
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