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2022/11/20

「箪笥(たんす)」を観る

今日はWOWOWオンデマンドで2003年公開の韓国ホラー「箪笥(たんす)」を観た。鑑賞後、WOWOWの作品紹介を見ると「韓国では誰もが知っているおなじみの古典怪談」らしい。ただ映画は時代設定が不明確ながら現代が舞台である事は判る。姉妹が父親と共に我が家に戻ったところから物語は始まり、その姉スミの目を通して歪んだ家族関係が明らかになるのだが。

ウィキを読むと原作はとてもシンプルも、この映画版は二重三重の物語構成になっている。ただそれに気づくのはエンドロール前。繰り広げられる展開や一部理解不能な映像も最後には納得するだろう。メイクの巧さもあるが、中でも継母ウンジュの表情の違いに驚かされた。そしてタイトルの理由、スミとウンジュの確執の理由は本当に最後の最後まで観ないと解らない。

やはり物語の導引となるのはスミとスヨンの姉妹。スミを演じたイム・スジョンは時に永野芽郁、芦田愛菜に似た表情を見せて惹きこまれる。ウンジュの前、スヨンの手をグッと握るスミに感じる絆。しかも父親に対する思わせぶりな態度、妹スヨンへの愛情と家族への思いが不可解な事象を引き起こす。

説明的な描写はあまり無く、アジア映画らしい行間を読むような鑑賞を求められる。その点で実の母親の立場は想像の範囲でちょっと物足らない。この作品の良さは思わせぶりな展開もさることながらそのビジュアルとサウンド。ライティングの巧さ、韓国家屋や箪笥のデザイン、そして音の引き込み方。ヘッドホンや優秀なサラウンド環境での鑑賞を薦める。

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