「ガンズ・アキンボ」を観る
今日はAmazonプライムビデオで「ガンズ・アキンボ」を観た。2019年のイギリス、ニュージーランド合作のアクション映画。「ハリー・ポッター」から一転、ダニエル・ラドクリフの「ホントは変人デスシリーズ」の一作(ウソ。そんなものはありません)。「スイス・アーミー・マン」と同様、摩訶不思議な世界観に引き込まれていく。
犯罪者同士の殺し合いをネットに流すスキズムと呼ばれる闇サイト。その暴力と中毒性で視聴者数を伸ばしていた。マイルズは日常の憂さを晴らすようにスキズムに挑発的なコメントを投稿。そんな日、突然謎の集団に拉致されてしまう。目が覚めたマイルズの両手には取り外さないよう銃が取り付けられていたのだ。そして殺し合いの世界に解き放たれていく。
まず観始めた瞬間、これは「デスレース2000年」と同じ匂いと感じた。正直この映画は毒にも薬にもならない。ただ人の行きつく先は自制の外れた暴力中毒。約50年前に提示された世界は今や当たり前のように描かれている。その最たるはAPEXのようなバトルロイヤルゲーム。仮想空間だろうが所詮殺し合い。この映画に出てくる視聴者はその世界を抵抗なく受け入れている。それがある意味恐い。
そんな事言ってこの作品を楽しんでしまう自分がいる。何しろラドクリフ演じるマイルズの巻き込まれ具合が可笑しい。着替えや用足しも容易じゃない。何処か微笑ましかった「スイス・アーミー・マン」に比べ、こちらは爆笑してしまう。タイトルは二丁拳銃の男という意味。オドオドのラドクリフがやがて無双状態。その爽快さが更なる中毒性を生んでいく。
映画ファンとして観ると、マイルズとニックスとの街中チェイスやガトリングガンの煽り撃ちは「ターミネーター2」だしオマージュ感のあるシーンに気付く。ニックスのコスチュームもアレンジはあれど「T2」っぽかったもの。
個人的には中国系のヒロイン、エヴァを演じたナターシャ・リュー・ボルディッツォが良かったな。吉田羊を彷彿とさせるクールでポップなルックス。ただマイルズとエヴァの顛末はある意味、この映画の薬となる部分。現実、この映画で爽快の反動とはそういうものだもの。
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