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2022/11/19

「勝手にしやがれ」を観る

WOWOWで録ってあったジャン=リュック・ゴダール監督「勝手にしやがれ」を観た。1960年公開のフランス映画。ゴダール監督が今年9月に亡くなった事への追悼放送。フランスの大スター、ジャン=ポール・ベルモンドの代表作の一つ。ヌーベルバーグを代表する作品であり、今観ても斬新でかつ新鮮さが漂う。

ジゴロでもあり詐欺師のミシェル。夜を過ごした女性を騙しつつ、金づると宿代わりに過ごしていた。だが自動車を盗んだところに追いかけられた警官を殺してしまう。そんな彼が頼ったのがアメリカ人の彼女パトレシアだった。そんな事情を知らないパトレシアとミシェルは行動を共にするのだが。

逃避行というにはのんびりと、根っからの女好きのミシェルはベッドで過ごす事を選ぶ。しかもサイフは彼女頼り。ユーモア溢れるセリフにフランス映画独特の世界観。劇中、ハンフリー・ボガートのポスターを見て身を正すミシェル。彼の根底にはハードボイルドを秘め、逃げも隠れもしないラストシーンに繋がっていく。

物語だけでなく映像も新鮮。光と影を活かしたモノクロ映像は窓際にベッドでの会話を映す際の趣きを醸す。ベッドインしたいミシェルとはぐらかすパトレシア。一転、当時のパリ街中が何ともオシャレ。もちろんベルモンドにパトレシアを演じるジーン・セバーグのファッションと粋なセリフも見どころ。また一見雑に思える編集も味となる。出てくるクルマたちもいい。

1960年公開当時、これだけ好き勝手に過ごすミシェルの言動は日本人の観客にとって相当な衝撃的だったと思う。そんな作品の雰囲気とベルモンドの風貌はモンキーパンチのルパン三世(マンガ、アニメ共)に影響を与えたのに十分。この作品のDNAは様々な作品に伝搬、拡散されていった。改めて名作ぶりを認識。もう一度、映画館のスクリーンで観たいな。

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