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2022/11/06

「レクイエム・フォー・ドリーム」を観る

WOWOWで録ってあった「レクイエム・フォー・ドリーム」を観た。奇才ダーレン・アロノフスキー監督による2000年公開のアメリカ映画。ずっと気になっていた作品でもなかなか観る機会が無かったが、WOWOWのミニシアター特集の一作として今回放送された。

サラは息子ハリーからテレビジャンキーと呼ばれる程に中毒気味。一方ハリーはドラッグのため、彼女のテレビを金に換えていた。やがてハリーは友人タイロン、恋人マリオンと共に手に入れたドラッグをビジネスにしようと画策。そんなある日、サラの元にテレビ出演を勧誘する連絡が届く。サラはドレスを着こなすためにダイエット治療を受けるのだが...

タイトルは「夢への鎮魂曲」とあるようにサラを始めとする主人公4人の破滅を描いていく。まずは刺激的な映像と編集に目を奪われるが、それすらちょっとした中毒性がある。だが第3章、秋を経て彼らの運命は大きく狂う。それはもう中毒を超え、薬物依存の末路ともいうべき救いのない世界。

若きジャレッド・レトの薬物ジャンキーぶり、ジェニファー・コネリーの美しさに目を見張るが、一方で彼女の演技の転換点であった事がわかる。寸止めのエロさ、(編集上の)過激さで彼女の新たな方向性を示した。恥ずかしながら鏡に映ったボカシに想像が膨らむ。

ただこの作品で最も気を吐いたのはサラ役のエレン・バースティン。若者だけの物語だったら、ここまでの深みは無かったろう。そして物語を理解しつつも監督の作る世界は彼女の想像を超えていたと思う。一線を越えた時、ノーメイクにやつれた顔で医師に訴えかける姿が痛々しい。テレビ出演を果たした彼女は戻ってくる事は....。

改めて思う。この作品は薬物が身近な海外では抑止の意味もあるなぁと。

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