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2022/11/03

「ハスラー」を観る

今日は盟友N氏とポール・ニューマン特別上映のトリとして「ハスラー」を観てきた。1961年公開のアメリカ映画。タイトル通り、ビリヤードの世界を舞台にした作品。若きプレイヤーのエディが賭けビリヤードに身を投じ、ライバルや賭博師たちと渡り合いながら勝負師として成長していく。

出演当時35才くらいのポール・ニューマン。先日の「暴力脱獄」と比べても若さに目を見張るほど。そんな輝きがエディのキャラクターと相まって、向こう見ずなプレイスタイルで相手に立ち向かう。特に冒頭一昼夜に渡るミネソタ・ファッツとの闘いは若さあってのもの。むしろファッツの落ち着きに大人の視線を感じる。

物語はエディ、その胴元に座るバート、エディの恋人サラを中心に進んでいく。ただサラの思いに反し、自意識の強いエディは勝ちへの執着に陥り、バートの思うがままに操られていた。言葉巧みに本心を見せないバート。演じるのは名優ジョージ・C・スコット。

サラは大人の女性らしい言葉でエディを諭すが、エディの耳には届かない。そんなエディの姿は青春映画の側面を持つ。映画はエディへの感情移入より、サラの気持ちそのものでどうにかならんかと思ってしまう。そしてある出来事をきっかけにエディは迷いを絶ち、一つ成長していくのだが、何ともそこまでが歯がゆい。

ビリヤードシーンの球の激突音とテンポの良さにモノクロ映像の奥深さ。スーツで戦うエディたちのカッコよさ。でもやっぱりミネソタ・ファッツのジャッキー・グリーソンが好きだな。ポーカーフェイスに勝負師としての懐の深さ、勝ち負けの割り切り方など。大人とはこうありたいと思う。

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