「マイ・ブロークン・マリコ」を観る
今夜は永野芽郁主演「マイ・ブロークン・マリコ」を観てきた。ダチのマリコを亡くした永野演じるシイノの衝動とその成長を描く。生死と友情を超えた何かに導かれたシイノ。マリコの父親を前に遺骨を強奪し、そのまま二人念願の海を目指してシイノは高速バスへ乗り込んだ。
そんなイントロダクションながら何処か哀愁が漂う。マリコの実家を訪れた時のぶりっ子演技にやっちまったかなと思わせたが、物語が進むにつれて永野の演技が味わい深くなっているのに気づく。シイノの成長と共に永野の演技も成長しているのだ。順撮りしているかは判らないが、そんな感じに受け取った。
哀愁を感じたもう一つの理由に自分だけかもしれないが、西部劇のような印象を受けた。薄めのメイクにコートを着たシイノの立ち姿といい、波風に晒されたり、酒場で絶叫する様。枯れた感じというか、ロードムービーの様相も相まってその印象を強くする。物語が山場の後、保安官いや警察に保護されるのもガンマンらしい、ちょっとガンマンじゃないって。
シイナのダチ、マリコを演じた奈緒も凄かった。タイトルの通りに壊れきった演技に圧倒される。その背景に家庭の問題が明かされていくが一端をだけで充分に伝わるサジ加減。演技の引き出し方やそんな語り口の上手さはタナダユキ監督だからかも。
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