「機動戦士ガンダム ククルス・ドアンの島」を観る
Amazonプライムビデオで「機動戦士ガンダム ククルス・ドアンの島」を観た。ファーストガンダムの1エピソードをTHE ORIGIN版として映画化。冒頭「第15話を翻案」とテロップが入り、画はもちろん、物語にまで手が入った安彦タッチにアムロとドアン、子供たちとの交流が描かれていく。
先に言っておくと劇場で観るのを迷いつつ、ある助言を得て止めた経緯がある。ガンダムは自分の中で「逆襲のシャア」をもって終わっており、THE ORIGIN版は第1話しか見ていない。全シリーズを総括するターンエーガンダムを除けば、意外と思い入れが無い事にその時気付かされた。まもなく「今回の映画はまぁいいか」というスタンスに変わっていた。ちなみに今日からの「水星の魔女」もリアタイしないかも(まだプロローグも見てないし)。
さて本作。よく言えばファンサービスに溢れ、高レベルの作画に歓喜できる映画。綺麗にモデリングされたガンダムやザクがバトルし、破綻の無い映像と迫力に圧倒される。しかもアムロ役の古谷徹さんの集大成たる名演(ファースト中盤で成長前の微妙な時期)も良かった。そんな時、安彦タッチの表情が良く似合う。オデッサ作戦前にジムやコアブースターが出てくるのはファン向けの配慮なのかも。
その一方で物語における緩急が不足、1時間48分はちと長い。小さなエピソードにやや間延び気味な演出が必要以上に挿入されている気がしてならない。映画となれば断腸の思いでバッサリやって欲しいが、それすら安彦さんのやさしさに思ってしまう。そのせいかドアンの意思や戦争の残酷さが希薄になってしまった。ラストシーンがどことなく劇場版哀戦士篇が重なった気がして良かっただけに残念。
最後に一言。高い値付けの特別料金で上映されたこの作品。上映システムを理由にしているが、利益追求で選択した事に変わりない。最もこの作品を伝えたい子供たち、ファースト未体験者への門戸を広げる意味なら通常料金でこそ意味がある。結局劇場でこの作品を観なかったのは、バンナムへの抗議の意味が最も大きかったから。
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