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2022/10/30

「暴力脱獄」を観る

今日も盟友N氏と映画。ちょうど今ポール・ニューマンの代表作が上映されているが、そのうち「暴力脱獄」を観てきた。1967年公開のアメリカ映画。原題は「Cool Hand Luke」。ピーター・バラカンさんが「この邦題はあり得ない」と言うのも納得。ただ興行当時の日本でそれを理解するには難しかっただろうなぁとも。

パーキングメーターの金をせしめるも逮捕され、刑務所へ服役する事になったルーク。労務とイジメに始まり、けっして楽な生活では無かった。だが信念を曲げないルークは共にする囚人たちの心を掴んでいく。だが母の死をきっかけに独房へ入れられてしまう。そんな理不尽な所長たちに対し、ルークにある思いが芽生えていく。

ポール・ニューマンの作品は観てきたものの、本作は初見。購読していた雑誌「スクリーン」のイメージで勝手に頭の中でモノクロ映画になっていたが、実際はテクニカラー。冒頭のワーナーロゴも凛々しい。

とにかくポール・ニューマンが若く、原題通りクールに演じている。徐々に仲間が惹きつけられていくのも納得。その中にはセリフは僅かもデニス・ホッパーの姿。主人公ルークの好敵手を演じたのはジョージ・ケネディ。その若さよりも風貌や体格は「人間の証明」の頃とあまり変わらない安心感。この人の心の動きも映画の見どころであります。

所長や看守、特に目無しとルークの関係性を始め、様々な暗喩が感じられる。ただそれよりも常に立ち向かうルークの姿に共感する。時代背景から少しのどかな獄中生活に思えるが、所長たちからの冒涜とも思える仕打ちは残酷。諭す言葉に反し、心身を通してルークを追い詰めていく。

観ていて感じたのはあの「ショーシャンクの空に」との相似性。同じワーナーロゴの作品であり、刑務所と脱走、その交流や労務する姿にオマージュを受けるに値する作品と改めてわかった。ラロ・シフリンのスコアも良い。その後のルークは...それすら野暮な気にさせる名作でした。

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