「サバカン SABAKAN」を観る
今夜は映画「サバカン SABAKAN」を観てきた。1986年の長崎を舞台に小学生二人のある夏休みの日々を描く。
僕らが小学生の頃なら学校や公民館で上映した感じの映画。夏休みの昼間、テレビでもやってそう。貶しているわけではない。大手メジャーどころがボーイミーツガールな映画ばかりを作る今、本当にこういう作品は貴重。
この映画はかつての我々やその下の世代、主人公である久田を演じる草なぎ君の回顧で始まる。何が重要かといえば、かつての日本の子供たちが過ごした原風景。今の子供たちにどこまで通じるか判らないが、その一つ一つが僕ら世代に伝わってくる。何もかも冒険。学校生活、友達との関係性に遊び、ちょっとしたケンカとか。
そんな子供たちに大人の存在。親や年上の人は皆怖かったけどやさしかった。子供も旦那も張っ倒す尾野真千子のお母さんが気持ちいいし、竹原ピストルのお父さんも怖いけど可笑しい。家族で楽しくご飯を食べるのも楽しかった。何か失ったものを観ているような。加えてブーメラン島での交流とか、中でも今回メガネを外した曲者のオジサン、岩松了の存在感も良かった。
ただ気になるエピソードが一つ。観た人なら判るはず。それが必要だったか、経験上欠かせないものだったのか。脚本上、別の選択肢もあったろうし、小さな二人の友情に影響を及ぼしただけに何か引っ掛かる。後味が悪いとまでは言わないが、友との別れを清々しさで突き通して欲しかった。でも最後は心を少し熱くさせられた映画だった。
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