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2022/08/11

「星の子」を観る

今日はAmazonプライムビデオで映画「星の子」を観た。芦田愛菜主演、2020年公開の日本映画。あるきっかけで宗教に没入した夫婦、その娘ちひろの姿を描く。再燃している某宗教団体の件もあり、興味を持って観始めた。これがなかなか面白い。

まずこの映画は直接、それら宗教を糾弾するような作品ではない。主人公ちひろや両親も幸せそうだ。友達に何を言われてもめげないちひろ。しかしじわじわと不穏な空気が漂い始める。幼少期の恵まれた住まいは今や安アパートに。食事もままならなくなっていく。

ただ一つクサビのように刺さるのが、岡田将生演じる教師の南が直接ちひろを非難するシーン。好きな人と信じるものの間で揺らぐちひろ=芦田愛菜の感情表現が圧巻。これをきっかけにちひろは迷い始める。そして団体の研修に参加したちひろが両親の前で出す答えとは....まるで彼らを案じるポスターと同じ3ショットが印象的。流れ星を見る姿にこの映画のテーマが集約されている。

ちひろの物語はシリアスに一方の永瀬正敏、原田知世演じる両親は没入するからこそまるでコントのように滑稽に映る。「イカゲーム」の先を行く緑のジャージ。カッパと揶揄されるのも当然。二人の真面目な表情(=ほぼノーメイクになりきり具合)が凄い。大友康平演じる叔父との対峙に宗教(まがい)の闇を見る。

集団心理に身近にいるメンターチックな誘導者。そんな黒木華と高良健吾が不気味。ちひろが幼少期から接し、黒木演じる昇子が問うセリフは意味深。そして高良演じる海路が見た目共々怖い。生きる要、食を握る事こそ支配の始まりかもと。それにあの焼きそば、何喰わされてるか判らんし。

この映画を冷静に観れているうちなら大丈夫。他人事に思えず、家族を含めて思い当たるのなら何かのきっかけになればよい。取返しがつくうちなのなら....

220811_01

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