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2022/07/10

「マタンゴ」を観る

今日は日本映画専門チャンネルで録ってあった「マタンゴ」を観た。1963年公開の日本映画。「ゴジラ」の本多猪四郎監督、円谷英二特技監督によるSF作品。ヨットで無人島に漂流した若者たち。食料無きこの島に生息するキノコ。そして同じ島に居た難破船の貯蔵庫に「Matango」の文字。危険と知りつつキノコを口にする若者の体に異変が現れ始める。

東宝特撮クラシックともいうべき作品ながら今回初見。元気が出るテレビの「湘南マタンゴ娘」が記憶に残るが、こちらはあくまでシリアス。映画「エイリアン」にも相通じるサバイバル要素。マタンゴ最終形(デザインはあの小松崎茂先生)の立ち姿に時代を感じるが、次々と理性を失っていく若者たちの悲哀、心理的恐怖こそこの映画の真骨頂と言えよう。

全編元祖東宝特撮ヒロインの水野久美のエキゾチックな妖艶さに見惚れる。その存在が物語上のアクセントでもあり、彼女が演じる麻美がクラブで唄うフレーズ「水が溜まった石畳...」が耳に残る。クライマックス、キノコに囲まれ派手なメイクで嘲笑する麻美が怖い。

黒澤作品のご常連、土屋嘉男に小泉博(クイズグランプリ)と当時の東宝映画の俳優陣登場も嬉しい。そして語り部村井助教授=久保明の運命。そんな冒頭と最後を飾る特撮の美しさ。これは現代日本の怪談なのだなぁ。是非M・ナイト・シャマラン監督にハリウッドリメイクして欲しい(ウソ)。

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