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2022/07/29

「アルピニスト」を観る

マーク・アンドレ・ルクレールを追ったドキュメンタリー映画「アルピニスト」を観てきた。マークは彗星の如く登場した絶壁、氷壁を登る若きクライマー。有名クライマーに絶賛される彼だが、その素顔は目立つ事を嫌い、ただ難関たる絶壁を目指す。そして次なる標的はパタゴニアのトーレ・エガーだったのだが...

この映画を観るきっかけはラジオビバリー昼ズにゲスト出演した片岡鶴太郎が、最近観た映画で推していた事だ。しかも映画のオチまで言う始末。だがそれを知っていても映画が進む程に食い入るように観ていた。マークの生きざまに自分の人生とは何かと考えさせられる。

五輪競技で注目されるスポーツクライミング。一方で危険と隣り合わせ、自然と戦うクライマーの姿がある。時に人は豆粒。大自然はスクリーンに映える反面、そこに潜む恐ろしさまで伝える。これは映画館でなければ伝わるまい。もちろんマークを捉えた映像を収めるカメラマンも凄い。

序盤はマークの母親のインタビューやトレーニングを通し、彼の人となりを紹介。冒険に関する本を通して興味を深め、いつしか山を登るようになるマーク。様々な過程を経てたどり着いた境地。身体能力に限らない、常に難敵を目指すメンタリティーにも圧倒される。また母親の語る神への感謝は自然の神秘性と重なり興味深い。

製作者は常に危険と達成感が同居する二律背反な関係を紐解こうとマークに迫る。だがマークはたった一人で登るフリーソロが身上。だから難関を制覇した時、そこに自撮りしたマーク本人の姿しかない。登頂制覇した者だけが得られる到達感、その一端は理解できた気がする。そして鶴太郎ありがとう、この映画を観て良かったと。

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