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2022/07/31

「ムーンフォール」を観る

Mr.デザスタームービーことローランド・エメリッヒ監督作品「ムーンフォール」をAmazonプライムビデオで観た。プライム会員なら追加料金は無し。全米で劇場公開も日本ではこの配信のみ。エメリッヒ監督らしくSF考証等どこ吹く風、ケレン味たっぷりな大スペクタクルは健在。劇場なら勢いもあってイケるが、テレビで観ると覚めて見てしまう。

2011年3人の宇宙飛行士は衛星修理のミッション中、突然の大事故に見舞われる。生き残った船長のブライアンは責任を問われ解雇された。その10年後、陰謀論者のハウスマンは月軌道の異変を察知、NASAに伝えるも門前払いされてしまう。NASAが気づいた時、世界に月の異変はSNSから拡散されていた。

月が軌道を外れ引力変動に伴う異変が地球を襲う。ここまでなら天文学に人知の及ばないSFとして受け入れられる。だがこの作品はそれに留まらない設定を用意した。その描写は既視感たっぷり。まんまウォシャウスキー姉妹やジェームズ・キャメロンの創作を想起。さらにゼメキスの「コンタクト」みたいなところもあって、正直ごった煮状態だ。

だからといって全く面白くならない。エメリッヒ作品、真面目に観るのはバカバカしい。どのように収束させていくか見届けたくなるが、それもエメリッヒ自身の作品の使いまわし。カミカゼ精神、そこそこの犠牲で地球と人命を救う。並行して地上でブライアンの子供がアクション部分を担うが、時間稼ぎでしかない。ハル・ベリーの変わらぬ貫禄と美しさだけが印象に残った。

追伸.
月が軌道を外れる話なら、同じ設定ながら70年代のSFテレビシリーズ「スペース1999」(ただしシーズン1に限る)を観たほうがいいし、遥かに面白い。

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