« 「ブレードランナーファイナルカット/4Kマスター版」を観る | トップページ | 「アルピニスト」を観る »

2022/07/24

「リコリス・ピザ」を観る

今日はポール・トーマス・アンダーソン監督作品「リコリス・ピザ」を観てきた。これまでもクセの強いPTA(ポール・トーマス・アンダーソンの略)作品だが、本作のヒロインはいたって普通25才の女性。だがカレシは15才の子役(主人公のようで実はそうでもないゲイリー)。そしてその出会いを発端に彼女の人生は大きく変わっていく。

時代背景は中盤以降で明らかになっていく70年代。画作りは退色気味、カメラに映りこむもの全てが70年代で観る者をタイムトリップさせる。物語は年の差があって今風に言えばツンデレなアラナ、ゲイリーの二人を追いつつも意外と平坦な作り。

だが社会的な胎動(のちのMe TooやLGBT)を感じるエピソードが加わり、平凡の中の輝きを教えてくれる。劇場効果もあって最後まで退屈無く観られるのがPTA監督作品なのだろう。女性映画の趣きもあり、力強く生きていくアラナ。エンドロールで知るところ、アラナ・ハイムの一家総出で演じてる。家族間の気まずさも距離感も自然な訳だ。

アラナとゲイリーに絡む人々が面白い。中でもブラッドリー・クーパー演じるジョン・ピーターズはズバリあの本人。クレージーさはウィキ通り。のちに盟友ピーター・グーバーと共にソニーピクチャーズを傾かせた御人。この映画は70年代を駆け抜ける「フォレスト・ガンプ」的要素もある。

なお最後まで観てもピザは出てこない。タイトルの意味も不明、ウィキを見て判明。タイトルに意味を持ち込むより、その時代を懐かしむ趣向のほうがあるのかな。今のSNS時代に対し、何処か郷愁をおぼえてしまう作品である。

220724_01

|

« 「ブレードランナーファイナルカット/4Kマスター版」を観る | トップページ | 「アルピニスト」を観る »

コメント

コメントを書く



(ウェブ上には掲載しません)




« 「ブレードランナーファイナルカット/4Kマスター版」を観る | トップページ | 「アルピニスト」を観る »