「戦国自衛隊」【角川映画祭】を観る

今日は盟友N氏と一緒に角川映画祭「戦国自衛隊」を観てきた。1979年12月公開のお正月映画。昭和一大ブランド化した角川映画の初期の一作。自衛隊を戦国時代に送り込んだSF。その世界観と「角川文庫」というナレーションで締められたCMに心躍らせるも、当時小学生のオレは親に「一緒に行って」とは言い出せなかった。のちにこの作品の夜這いのシーンを観るにつけ、言わなくて良かったと胸を撫で下ろしている。
そんな「戦国自衛隊」を初めて劇場の大スクリーンで観る事ができた。これまで劇場で再見した他の旧作同様、DVDで何度も観ているので要所は押さえている。それでも見入ってしまうのは「戦国自衛隊」だから。例えば岩場で白いフンドシ姿の千葉真一、夏木勲(当時)の熱っぽさ。観ているこちらが恥ずかしくなる程に甘酸っぱいというか、友情を超えた男同士の姿に思わず感情移入してしまう。そしてその理由が少し判った気がする。
それは千葉、夏木勲両氏の目の演技。戦国の世に漂流し、生きる場を得た男の目。対して盟友を得て望みを遂げるも、その手で送り出す運命を背負った目。その過程、顛末が悲しい。現実、演じた両氏は鬼籍に入られたが、この作品の中では若さに溢れ生き生きと演じる二人が好き。すなわちイコール「戦国自衛隊」が好きだ。
見どころは多々。千葉真一ヘリから決死の宙づりで銃撃(ちょっと笑えるけど)、乗馬によるアクションに若き真田広之のヘリからのスーパーダイブ。この映画はJAC(ジャパンアクションクラブ)あっての作品。そして角川映画といえば薬師丸ひろ子。映画出演2作目? 「まだ子供じゃないか...」と対峙するゴリさん(竜雷太)のセリフはいまだ忘れられない。
一瞬、草刈正雄が登場したり、佐藤蛾次郎が笑わせたり、コントかと思わせるシーンも多々あるが、それさえも愛しい。角野卓造の「キングだ王様」発言、海に飛び込むところはウケた。そして成田三樹夫、岸田森、田中浩、小池朝雄ら昭和の名優たちに三浦洋一や渡瀬恒彦の存在感といったら。その名を挙げたらキリがないのもこの映画。それとムッシュ(かまやつ)さんが我が道を選んだ後どうなったのかなぁと思う。
角川映画らしく時代の先を行ったサントラ、コンピレーションアルバムで青春を意識させる楽曲が多い。一番好きなのは高橋研の「スクリーンに雨が降る」。映画の中ではフルコーラス流れなかったんだなぁ。映画はジョー山中の歌と共にエンドロールは無くバッサリ。スコアは羽田健太郎。Twitter上の指摘を読んで、スコア集が出なかった事が不思議。映画の要所はハネケンサウンド無くして戦国自衛隊じゃないよ。
| 固定リンク
コメント