「ベイビー・ブローカー」を観る
今日は盟友N氏と是枝裕和監督作品「ベイビー・ブローカー」を観てきた。ソン・ガンホ主演、キャスト、スタッフは純度ほぼ100%の韓国映画ながら、是枝監督らしい一つの家族の形を描いている。個人的には「万引き家族」のほうを推すが、これと対照的なラストを用意した本作も捨て難い。
サンヒョンは孤児院に務めるドンスと組み、ベイビーボックスに託された赤ちゃんを求める夫婦に横流ししていた。そんなある日の夜ソヨンが現れ、赤ちゃんを託して去っていく。だが我が子への想いか、翌日孤児院に現れるソヨン。そんな彼女にドンスはサンヒョンへ引き合わせる。
「万引き家族」の描いたテーマにも相通じる、血の繋がりの無い者同士の紡ぐ物語。ロードムービーでもあり、小さな出来事も微笑ましい。サンヒョン、ドンス、ソヨンにドラマがあり、各々欠けたものを補うような化学反応をみせていく。そんな道中で一つになっていく彼らにある事実が降り掛かる。
過度な説明は無く、唐突に思える描写も。状況と字幕で物語を追い掛けるせいもあって前半少しとっつきにくかった。だが孤児院の子供、ヘジンが合流すると物語にギアが入ったように面白くなる。サンヒョン、ドンス、ソヨンそれぞれに掛け合い、徐々に素の彼らを引き出していく。
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