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2022/04/30

デヴィッド・クローネンバーグの「クラッシュ」を観る

WOWOWプラスで録ってあったデヴィッド・クローネンバーグ監督作品「クラッシュ」(R15+指定版)を観た。同じタイトルの映画は数あれど、世界観の突飛さで唯一無二の存在。昨日観た「TITANE/チタン」とテーマが重なるところもある。だがその徹底した変態ぶりはクローネンバーグらしさに溢れている。

よそ見運転したジェームズは車線を飛び出し対向車と激突、重傷を負ってしまう。だが対向の車中に女性の姿が見えた。入院先のジェームズで同じくケガを負った女性ヘレンと再会。彼女との出会いからある催しに参加するのだった。

物語は車や交通事故に際する性愛がテーマ。作中のキーマン、ヴォーンの案内の下で危険な世界に入っていくジェームズ。まるでクローネンバーグ版「アイズ ワイド シャット」と言っていい内容で徐々にその深みに嵌っていく。テーマを見事に体現した監督の力量に観ているこちらまで引きずり込まれそうだ。

とにかく終始エロい。妻キャサリン役のデボラ・カーラ・アンガー、ヘレン役のホリー・ハンター、さらにロザンナ・アークエットと彼女たちのバストトップが見えたり、見えなかったりと想像力を掻き立てる艶技。この究極の愛とボカシがR15+指定版の象徴と言えよう。けっして家族の前では観てはいけないと忠告。

ただこの究極の性愛の果て、それがヴォーンの辿る運命が怖い。エンディング、それぞれ車を走らせるジェームズとキャサリン。そしてその顛末。こうなってしまう怖さ、それを恐れない怖さを垣間見る。真似できない世界だから映画は面白いのだよ。クローネンバーグ恐るべし。ホント、映画の中だけで良かった。

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