「カムカムエヴリバディ」を観る(完走)
昨日、朝の連続テレビ小説「カムカムエヴリバディ」を観終えた。ウイークデイは帰宅後観る日課だったので、昼休みのyahooニュースに恨み節。ただネタバレを上回る面白さ、ストーリーテリングの巧さが光った。"100年の物語"と題し、単に時間を追わずに各エピソードを濃縮、三世代を描く。
三世代ドラマの屋台骨をるい=深津絵里に任せ、娘となるひなた=川栄李奈、上白石萌音から森山良子へ繋がれるるいの母の安子と絶妙なキャスティング。「ラスト サムライ」が「サムライ=ベースボール」と名を変え、史実を織り込んだプロットや人物も端役に至るまで映画ファン的に興味を誘った。
また物語に登場したのはラジオ英会話だけでなく、ジャズに映画、時代劇と自分にとって好物ばかり。「オン・ザ・サニー・サイド・オブ・ザ・ストリート」を歌うサッチモに「007/ノー・タイム・トゥ・ダイ」公開直後と相まって余計にハマった。劇中、世良さんのパフォーマンスも良かった。
新たな出会いから世界観を広げるドラマも好きだが、本作のように実はあの時のアノ人でしたみたいな伏線張りが楽しかった。ちょっとした箱庭感。実際に似た経験はなくも無い。ただそれが前述のネタバレに影響されたのだけれどもね。
第二次大戦を挟む安子編。稔のセリフ「何処の国とも自由に行き来できる、僕らの子どもにはそんな世界を生きて欲しい」には潜んだテーマ、ズバリ反戦だ。るい、ひなたの世代が平和を享受し、まさにひなたの道を歩いている。残念ながら我々には今まさに難しい現実が突きつけられているが...。
今回、最初から最後まで聴きたいと思わせる主題歌は初めて。恥ずかしながらこれまでの朝ドラの主題歌はスキップで飛ばしていた。主題歌「アルデバラン」はAIの歌唱力もさることながら、その世界観とスケールの広さ。作詞、作曲の森山直太朗の新たな代表曲。今を生きる我々の心に歌詞が響く。
今思えば「カムカムエヴリバディ」は「ゴッドファーザー」に似た味わいなのかも。人物を世代で紡ぐ点は同じ。「ゴッドファーザー」シリーズを観た直後だから余計に思う。次の朝ドラにもそんな活きた人物たちの物語を期待したいな。

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コメント
調べてみたところ、バティスタ大統領が電話会社から黄金の電話を送られたのは実話を元にしているのですが、実際には金メッキだそうですね(キューバの革命博物館で実物が展示されている)。映画に出てくる電話機も金メッキなのかもしれませんが、そうするとマイケルとハイマン・ロス以外の人たちがいかにも「重いねー」というジェスチャーをしているのが謎です。
投稿: ebcdic_ascii | 2022/04/10 00:23