「ザ・ビートルズ:Get Back」を観る
ディズニープラスで配信されている「ザ・ビートルズ:Get Back」を観終わった。MCUや「スターウォーズ」スピンオフと共にディズニープラス契約の大きな目的がこの作品。映画「レット・イット・ビー」の元素材を含め、膨大な映像と音声をリストレーションと再編集した約8時間の大作。「ロード・オブ・ザ・リング」のピーター・ジャクソン監督が手掛けた本作はPart1,2,3に分かれており、毎週末少しずつ観進めていった。
これまで映画「レット・イット・ビー」を観る機会が無かったので屋上ライブ以外はほぼ初見。ジョージが脱退を明言して終わるPart1にビートルズの終わりを感じたが、3人の説得でリハーサルとアルバム制作は継続された。ただ以前聞いていたメンバー間の緊張感とは異なり、Part2以降は時にプロの顔を見せていても和やかにセッションは進んでいく。
その点、ラジオで桑田佳祐さんも言っていたが、キーボードで参加したビリー・プレストンの存在が大きい。キーボードの音を欲するビートルズとビリーの渡英タイミングが一致。彼の名演だけでなくその存在でムードは一変していく。彼が居たからこそビートルズは伝説のライブ、ルーフトップコンサートに進んでいく事ができたと思う。
またこの作品内、アルバム「レット・イット・ビー」「アビイ・ロード」収録曲の制作過程が明かされていく。仮詞で唄ったり、半年間「サムシング」の歌詞作りに躓くジョージにアドバイスがあったりと4人は助け合い、時にジョークを言い合う。最後に製作した「アビイ・ロード」をもって彼らは解散していくのだが、本作にその断片は見えても決定打はみられなかった。
この作品のセッションを観ていると、ビートルズ最後のリリースアルバム「レット・イット・ビー」のウォールオブサウンドが嫌味に感じてしまう。フィル・スペクターがアレンジした作品群は皆の知る名曲となったのだが、2003年リリースの「レット・イット・ビー・ネイキッド」は必然だったのだ。シンプルな演奏と歌声を「...ネイキッド」で聴くとこのセッションの世界へグッと近づけてくれる。
やはり見どころは結果、ビートルズ最後のライブとなるルーフトップコンサート。ここは気合を入れ手製の外部スピーカーで視聴。当時は新曲、今は名曲となった「Get Back」等の作品群が演奏されていく。だがゲリラライブで警察、市民を巻き込んだ騒動。警官を察知したポールがこれ見よがしに演奏する姿が可笑しい。分割画面にライブと彼らの気づく人々の対比が分割画面で映り、ここだけでもIMAXで上映する価値がある。できれば観に行きたいなぁ。
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