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2022/02/26

水道橋博士著「藝人春秋 1~3」(Kindle版)を読む

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水道橋博士著「藝人春秋 1~3」(Kindle版)を読んだ。きっかけ古舘伊知郎さんのオールナイトニッポンgoldでのゲスト出演。早速AmazonでKindle版を購入。年を越した頃から読み始めた。そして3を混み終わる頃に松井大阪市長との舌戦ならぬツイート戦が勃発する。ただこの本を読むと、松井市長が博士を標的にするに少々浅はかさでは、と思う。

たけし軍団一のジャーナリスティックを持つ博士。「藝人春秋」とはお笑い人間讃歌であり、人物アンソロジー。その文章に一人ひとりを語る臨場感に溢れている。しかも笑いの韻踏みを忘れない。さすがカツラKGBの博士ゆえ、小倉智昭氏の章ではこれでもかと筆が走る。この辺の話は3の巻末、町田智浩氏が詳しく解説してくれている。

とにかく博士自身は相手を徹底取材して理解する。特に石原慎太郎氏の件は凄かった。事は1960年代。冒険家として名を馳せた三浦雄一郎氏を自民出馬で石原氏の後押しも間もなく断念する。博士はここでの出来事、その後の両氏の関係性を明らかにしていく。石原氏の記憶への疑問、ある人物の存在。石原氏の恨み節、変わらぬ三浦氏と石原ファミリーの距離、だからこその三浦氏の真意。それを引き出した博士の粘り。改めて石原慎太郎という人の無意識過剰さを感じた。

そんな石原氏と盟友だった橋下徹氏、同氏出演番組からの降板の件。その根底に流れる、今そこにある大阪の危機との因果。特にコロナ犠牲者の突出ぶりは決して無関係で無いだろう。本著で博士は在阪メディアの情報操作にメスを入れる。そこに至る博士の姿を松井市長はどこはまで把握しての行動なのかと思う。

閑話休題。本著を読んでプッと笑ってしまうところが多かった。三又又三やマキタスポーツのお父様葬儀の件、武井壮VS寺門ジモンの顛末、そして古館さんの章では博士の文章が古館節に脳内変換され、その臨場感に酔った。また物語の連続性、タモリの財布の赴き。師であるビートたけし直系、笑いとイデオロギー、シリアスを「振り子理論」で語った面白さだった。




 

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