「ドライブ・マイ・カー」を観る
今日は久々に劇場で「ドライブ・マイ・カー」を観てきた。昨年公開も今年の米アカデミー賞ノミネートで凱旋上映。村上春樹原作の短編を西島秀俊主演、濱口竜介監督(自身も監督賞にノミネート)が映画化した。
179分の長編。しかも楽しくなる要素は一切無く観る人を選ぶ。ただ上映中、食い入るように物語に浸かった。この原作は読んでいないが、村上春樹らしい艶かしさとドライ感の同居、生と死、突き放すような語り口が印象的。徐々に距離を狭める登場人物たちの化学反応が見所となる。
劇中劇を含めた多重構造で主人公悠介の心の奥底を解いていく。専属ドライバーみさきとの交流、今を映すような劇中劇を演じる役者たち。悠介の本読み指導はクライマックスでの感情の高まりとのコントラストを呼ぶ。中盤までの西島の表情に彼がかつて出演した北野武作品「Dolls」を思い出した。
言葉少なに仕事に徹するみさき。演じる三浦透子の感情を抑えた演技。前席に座った悠介とタバコを吹かす姿が似合っていた。そして妻の音を演じた霧島れいかの存在感が後を引く。ハリウッドメイドにないアジアっぽさと言ったらいいか。バックショットが想像力を搔き立てる。
主人公の乗る車がサーブだったり、岡田将生演じる若手俳優の車がボルボでスウェーデン繋がり、如何にも村上春樹の作品に出てきそうな感じ。もちろん舞台である広島に倣ってマツダ車も出てくる。悠介の部屋のオーディオにもこだわり。アンプはDENONっぽいな。
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