Netflix「浅草キッド」を観る
今日はNetflixで配信が始まった「浅草キッド」を観た。ビートたけし自伝でこれまで2度映像化され、ドラマ版は観た記憶がある。今回は劇団ひとりが脚本、監督を担当した。浅草修行時代のたけしと深見千三郎の師弟関係を描く。
この映画を観ている間はタイムスリップ。70年代を完全再現する点もNetflix印らしい。奇しくもたけしが番組降板を口にした翌日。この作品を観てやっぱたけしっていいなと思う。何よりたけしをリアルタイムで観てきた世代、その出世前日譚に郷愁と我々に失われた何かを感じる。
笑わせて泣かせ、毒は控えめ。でもオーソドックスなところがいい。劇団ひとりはたけしを独特の距離感で見てきた印象で映画化した感じがする。軍団やもっと身近な人が作ったらこうならなかっただろう。時に映像やセリフ、間(ま)など何処か北野映画を思わせるところもあった。
柳楽優弥のたけしは所作指導の松村邦洋の甲斐もあって違和感なく演じている。劇中の漫才は我が記憶のツービートを彷彿とさせた。相方は一見無名俳優、プレーンで朴訥としたナイツ土屋のきよしがいい。演技派?もう谷保健作(警視庁捜査一課長)だけとは言わせない。
ただ映画はあくまで深見とたけしの物語。二人の間にある独特の間、やり取りが心地いい。特に深見を演じた大泉洋のセリフ回しは深見のものでないだろうが、元々浅草気質のある大泉らしい歯切れのいい感じがピッタリと合っていた。二人のオリジン、タップのリズムが心地良い。
彼らに限らず助演、脇役に至るまで皆好演。そういう点も北野映画に相通じるところでもある。深見に負けない男気ある妻=鈴木保奈美、たけしと交流する踊り子=門脇麦も良かった。そしてたけしの歌「浅草キッド」はいつも沁みるなぁ。
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