「エターナルズ」を観る
今夜はMCU(マーベル・シネマティック・ユニバース)最新作「エターナルズ」を観てきた。アリシェムの指示で地球に派遣された10人の超人エターナルズ。7千年もの間、人類を捕食族から守ってきた彼らの運命を描く。監督は「ノマドランド」でオスカー受賞のクロエ・ジャオ。キャストはサルマ・ハエック、アンジェリーナ・ジョリー、そして我らの兄貴、ドン・リーことマ・ドンソクが名を連ねる。
サノスと戦った「エンドゲーム」以降を受け、MCUの時間軸の中でストーリーテリングされている。ただしエターナルズの世界観でそれは一瞬の出来事。全般、人類に大きく関わらない立場をエターナルズは課せられる。度重なる人類同士の争いを傍観してきた彼ら。だがエターナルズ真の目的が明らかにされた時、それぞれの思いを胸に立ち上がる事になる。
MCU史上最も静かなるマーベル。確かに他の作品同様、バトルは激しい。一方でエターナルズを捉える映像は「ノマドランド」そのもの。MCUであってもクロエ・ジャオの映像テイストはブレない。大自然の中で立ち尽くす彼らは情緒的。10人それぞれを淡々と捉え、多く説明せずとも能力以外の個性は見えてくる。
ただ彼らの能力はMCUの中でインフレ状態にあり、スピードや破壊力も最高レベル。イカリスは明らかにキャプテン・マーベル級。確かに能力と物語をバランスさせようとするクロエ・ジャオの起用は間違っていない。個人的に飽きることなく最後まで楽しめたが、観る側が彼女の持ち味を受け入れられるかは大きなカギとなる。
そして世界観もインフレとなっている。これだけ様々なSF作品があれば似たものが見えてくる。守るべき正義と裏腹な運命。原作の持ち味もあるだろうが、本作で日本のマンガ、アニメのオマージュと思しき描写も少なくない。エターナルズ、彼らの運命に009やイデオン、今年大ヒットしたあの作品が重なるのは必然なのかも。
物語はセルシとイカリスが中心となるが、マ・ドンソク兄貴=ギルガメッシュ("ないと"ではない)も負けていない。残念ながらバトルはCG頼りでフィジカル面が活かせていると言い難いが、アンジー=セナとのコンビネーションがいい。献身的で心を通じた二人を観てSNSでのツーショットに納得。そしてもう少し兄貴を観たかった...
| 固定リンク
コメント