「アンダードッグ 二人の男」を観る
今日はAmazonプライムビデオで「アンダードッグ 二人の男」を観た。マ・ドンソク兄貴出演の作品。K-POPグループSHINeeのミンホ主演。エンドロールはハングルなので解らないが、おそらく兄貴は助演、セカンドロールと思われる。韓国社会の闇を描いたクライムアクション。
ジニルは盗みを繰り返し、その日家無しの暮らしを続けていた。そのグループのガヨンが街娼を装い、客の金品を狙っていた。そしてガヨンに近づく男。モーテルに連れ込まれた事を知ったジニルはガヨンを助け出し、男の車と金品を奪うのだが。
英題は「DERAILED」、脱線を意味する。この作品の中でまともな登場人物は一人も出てこない。社会、人生からの脱線か。ジニルたちの悪さに感情移入のしどころがない。だからといって対抗するヒョンソク=マ・ドンソク兄貴も拠り所になる存在でない。さらにジニルに敵対するソンフンは慈悲無視の悪党。刑事でさえジニルのおかげでソウルに着任できたと言う始末。
邦題にある「二人の男」は明確に提示されていない。ジニルとソンフン、あるいはジニルとヒョンソクともとれる。互いに人質を取り合いつつ、自分の目的を達成しようとする。観終わりその構図は面白いと思うが、観ている最中はそう思えない。それは何故か。
この作品はとにかく暴力的。事あれば金属バットを振りかざす。暴力的な映画は数多く観てきたが、何か惹き込まれる理由があった。だが本作にはその理由がない。ジニルたちの境遇も、兄貴が身から出た錆の状態になった時も。魅力が無いから不快さが目立つ。そしてジニルとソンフンの顛末も救いようがなく虚しさだけがに残る。
マ・ドンソク兄貴の存在感は作品中随一だが、この映画自体は物足らない。兄貴はアンチでもそうでなくともヒロイックであるべき。そんな兄貴はMCUの最新作「エターナルズ」の主要キャストの一人として出演する。これは観たい。いよいよ時代がマ・ドンソク兄貴に追いついた。
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