「おかえりモネ」を観る(完走)
朝の連続テレビ小説「おかえりモネ」を観終えた。「まんぷく」以降はここ数年録画で観ていたが、前々の「エール」以来の完走(「おちょやん」は一カ月ほどで挫折)。「おかえりモネ」はNHKドラマ「透明なゆりかご」の安達奈緒子作、清原果耶主演のコンビ、気象予報士を目指すヒロイン百音の奮闘と成長の物語。
当初爽やかな番宣と異なり、朝ドラとしては重い物語に思えた。一つはまだ生々しさの残る東日本大震災を描いている事。まだ10年。震災が直撃する故郷、偶然その地を離れていた百音。これを機に彼女の葛藤が始まる。迷いの中、人の役に立ちたいと気象予報士を目指す。ただそれはこのドラマの過程であって目的ではない。
もう一つはヒロインの葛藤。百音は常に迷う。物語上重要さのないエピソード以外、順風満帆な展開は与えられない。そこが映画的で朝ドラに不向きな感もある。観ている側が息苦しいと思える時もあった。ただそれらの回答は自らの行動に周りの人々の言葉が一筋の光、希望を与えていく。これまでの朝ドラ以上に群像劇の様相が強い。
物語は百音の妹未知や幼馴染みの亮、亮の父新次、そして百音の両親の背負ってきたものに及ぶ。物語が今に近づくに従い、過去のエピソード、セリフの一つ一つが結ばれていく。緻密に組み合わされた脚本はこれまでの朝ドラに無いもの。登場人物は不器用ながらも共感を視聴者と共に育む。その点も新鮮だった。
| 固定リンク
コメント