« Amazonプライム「庵野秀明+松本人志 対談」を観る | トップページ | 映画「スティーブ・ジョブズ」(2013年公開:日本語吹替版)を観る »

2021/08/22

「神田松之丞改メ 六代目神田伯山 襲名・真打披露公演 」沼津公演@沼津市民文化センター

今日は沼津市民文化センターで行われた「神田松之丞改メ 六代目神田伯山 襲名・真打披露公演 」に行ってきた。愛聴してるTBSラジオ「問わず語りの神田伯山」の直前回でも沼津の名が出ていたが、熊谷公演の伏線として何を演じるのかも注目だった。

とはいえ演芸を観に行く事自体初めて。ホールでの演芸はテレビの枠を超える。出囃子に設けられた高座、演目が変わるたびに座布団を裏返し、コロナ禍ゆえアルコールで拭かれる尺台。たぶん座布団の回し方にもルールがあるのだろうなと想像。席は遠目だがメガネ装着で辛うじて演者の表情は汲み取れる。

前座は神田鯉花による「宮本武蔵伝」。僅か3分の尺で暖機運転らしからぬ熱湯風呂の話。まさかこの公演、行く末の伏線では無かっただろうか。もちろんこの時は気づかない。

次は神田阿久鯉「柳沢昇進録」お歌合わせ。緩急交える話芸に加え「この話、ここだけ笑えるところ」と客をグッと掴む。

続いて宝井琴調「清水次郎長伝」小政の生い立ち。ここは聞き入ったなぁ。静岡を意識して選んでくれたのもあるけど、小政の類まれな頭の良さを表すお話。

前半の締めは人間国宝、神田松鯉「源平盛衰記」扇の的。講談といえば戦噺。平家物語で始まり、那須与一の扇の的に纏わるエピソードをユーモラスに展開。

15分の休憩の後、口上。

阿久鯉さんの進行で琴調、松鯉、桂文珍各師匠の順でご挨拶。真打興行、叱咤激励に毒舌と笑いの中、グッと頭を下げ続ける六代目神田伯山。松鯉師匠曰く神田一門の中で伯山の名跡は特別。最後は手締め、三三七拍子。生で観る真打興行、口上は特別なものとなった。

そして文珍師匠による「平林」。まず弟子とのエピソードに漢字の話を交えて笑わせる。だがそれがこの「平林」の伏線。落語らしいオーソドックスな物語、飛び道具を取り入れて落語らしいノリをみせる。本当、会場は色んな意味で暑く、いや熱くなってきた。

もちろんトリは神田伯山、「中村仲蔵」をもってきた。古舘さんの「中村仲蔵」風の講談とは違った本物。落とされた照明と相まって講座の伯山にオーラが見える。張扇叩く音もテンポよく歯切れいい語り口。物語の進行と共に出世、重責と格闘する仲蔵。何処か伯山の立場と重なってみえる。最後は観ている方がトランス状態になった。

公演後、挨拶する伯山。「環境が悪くて...」やっぱり会場も暑かったんだよなぁ。夏場のライブなら気にならないけど、客層が綾小路きみまろとダブる世代にはキツイかも。沼津市長、市民文化センターのテコ入れ、空調改修しないとまた来てくれないよ。

文珍師匠曰く話芸とは舌耕(ぜっこう)、言葉で生計を立てる事を言う。言葉の軽い政治家とは違った世界を楽しんだ2時間半、神田伯山最高でした。

210822_01

 

 

|

« Amazonプライム「庵野秀明+松本人志 対談」を観る | トップページ | 映画「スティーブ・ジョブズ」(2013年公開:日本語吹替版)を観る »

コメント

コメントを書く



(ウェブ上には掲載しません)




« Amazonプライム「庵野秀明+松本人志 対談」を観る | トップページ | 映画「スティーブ・ジョブズ」(2013年公開:日本語吹替版)を観る »