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2021/08/21

「ザ・クラウン シーズン4」(吹替版)を観る

Netflixで「ザ・クラウン シーズン4」(吹替版)を観終えた。いよいよ物語は鉄の女マーガレット・サッチャー、ダイアナ妃登場でグッと現代に近づく。もう40年前なんだけれどそんな気はしない。

サッチャーは「Xファイル」のジリアン・アンダーソンが演じる。先日観た映画「マーガレット・サッチャー 鉄の女の涙」のメリル・ストリープとの比較になるが、こちらも負けず劣らない。出で立ち、仕草といい見間違う程。吹替版ゆえアクセントまでは判らないが、声をあてた高島雅羅のベテランぶりが光る。

むしろ映画「マーガレット・サッチャー...」を補うようなエピソードも多い。4-4話「お気に入り」では行方不明となる息子の顛末、フォークランド紛争初期の状況を絡めたストーリーテリングが秀逸。映画では息子の名が出ても影すら無かったよなぁ。そしてこのエピソードがサッチャー首相の転機となる。

だがシーズン4はダイアナ皇太子妃の物語でもある。演じるエマ・コリンは本人より目鼻立ちが大きい気はするが、その仕草はダイアナ妃。遊説先を追うテレビ映像は当時のものかと思わせる。このシーズンに限らず「ザ・クラウン」の映像、美術、時代考証の徹底ぶりが凄い。さすがは予算もクオリティもNetflix印。

前シーズンを受けてチャールズ皇太子の心中、微妙な関係にダイアナが絡んだ上、王室の意向と体裁が皇太子夫妻を蝕んでいく。閉鎖的な時代なら許された事が現代王室では致命傷となる。しかも王室の想像以上にダイアナ妃の存在は大きくなって世界を魅了する半面、常に皇太子の心はあの彼女へ。皇太子夫妻の亀裂は入ったまま。

それでも女王はブレない。「ザ・クラウン」とは常にブレないエリザベス女王の物語だ。特にオリビア・コールマンに代わって威厳と貫禄が加わった。そんな彼女が総理を辞任したサッチャーに掛けた言葉、女王の立場を超えた言葉が胸を打つ。

ただ事態は我々の知る方向へ向かっていく。まるで王室とダイアナ妃の距離を表すように家族写真を撮るシーンでシーズン4は幕を閉じる。次シーズンで女王はオリビア・コールマンからイメルダ・スタウントンへバトンタッチ。なんとダイアナ妃はエリザベス・デビッキらしい。ただ悲劇が待っている。歴史は変えられない。だが物語として気になる。

そのリリースまでNetflixは今月いっぱいで解約。それも一時の事。いずれ「コブラ会」が来るからな。

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