「デッドロック」(1970)を観る
今日は盟友N氏と1970年公開の「デッドロック」を映画館で観てきた。N氏に誘われたものの内容は不明。あえて何も情報は入れずにそのまま劇場へ臨んだ。
ある荒野。銃を片手に血まみれでジュラルミンケースを運ぶ若者が歩く。だが太陽に体力を奪われ気を失い倒れてしまう。そんなところを車で巡回、採石場を警務するダムが気づいた。だがジュラルミンケースの中身を見て奪い逃走する。トドメを刺そうと若者に近づくダム。だがダムの立つ先に銃口が向けられていた。
オープニングテロップからも英語圏の作品で無いのを察すると何と西ドイツ映画。しかもこのたび日本初公開。見た目洗練された最近の作品に比べればかなり粗削りだがそこが逆に魅力的。本作を観たタランティーノの影響も垣間見える。
キッド、ダム、サンシャインと登場人物は少なく、大金を巡る腹の探り合い。だがいざ銃を持ち出せばそこが名場面となる。中でもドイツ映画らしくモーゼルが目立つ。食事を囲む中、鉄琴楽器を持つダムを狙うサンシャイン。さらにストックとスコープを付けてるところを見たら、かつてのモデルガン好きには堪えられない。
劇中に登場するトラックのポンコツぶりがまるでダムのようで愛らしい。だがケースの大金はそんなダムをも狂わせてしまう。さらに師弟関係のキッドとサンシャイン。絶えず変わる攻守。三つ巴の駆け引き、果たしてその顛末は。
深夜に放送されればつい見入ってしまいそうなこの映画。音楽はバリエーションが少ないものの、印象的なハミングは帰り道つい口ずさんでしまった。「Mr.ノーバディ」とはテンポもノリも違うが、本作は確実に漢(おとこ)のための映画だ。
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