「透明なゆりかご」を観る
深夜に再放送された「透明なゆりかご」を観た。原作コミックを次期NHK朝ドラの「おかえりモネ」の安達奈緒子脚本、清原果耶主演のコンビによる2018年放送のヒューマンドラマ。瀬戸康史、原田美枝子、水川あさみ、酒井若菜らが脇を固める。全10話、産婦人科を舞台にそれぞれのエピソードは重く心に突き刺さる。
「生まれる命と消える命、交錯する場所...」と主人公のモノローグが表すよう起こる様々な出来事。バイト初日、目の当たりにする消える命。看送る事、送り出す言葉が主人公の思い。そんなアオイも自らと家族との問題を抱え、悩みながら生きてきた。妊婦、患者、産院のスタッフと共に彼女の成長が描かれる。
互いの理解はこの作品のテーマだが、やはり越えられないものがある。命の現場では切実な問題。登場人物たちの言葉は重い。ただ越えられない事態を理解する事こそ大事だし、その糸口となる。
第9話「透明な子」はとても重かった。ただ昨今の社会事件では避けられないエピソード。主人公にとって最も痛々しく、思わぬ展開が待っている。医療関係者としてでなく、友人として寄り添うアオイ。そこに完璧な回答など無い。本来、後味の悪いエピソードながら、小さな光明を感じさせるのは清原果耶によるものだろう。
朝ドラ「なつぞら」で初めて観た時はパッと出、事務所のゴリ押しかと思ったが、本作の演技あってと納得。本作の難しい役柄も彼女あってと思う。「なつぞら」でも自身の年齢以上の役どころまで演じ、巧いなと思わせた。明日からの「おかえりモネ」も楽しみ。
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