「第93回アカデミー賞授賞式」を観る
WOWOWで放送された「第93回アカデミー賞授賞式」(字幕版)を観た。コロナ禍で例年の2ヶ月遅れの開催となった今年の授賞式。L.A.ユニオン駅特設会場をメイン会場に内外をリモートで繋ぐ。本番組前に歌曲賞のノミネート紹介を行い、エンタメ性は極力排除した授賞式となった。
MC不在、クエストラブがDJを務め、アカデミー賞関連の曲を流すちょっとしたセレブパーティー。ノミネート紹介も例年なら1シーン挿入されて候補者を映すが、それもなし。候補者の紹介は20秒程に留めて賞を発表していた。
そして大きく異なったのが、主演賞、監督賞、作品賞の発表順。最後に作品賞発表が通例だが、主演賞と順番が入れ替わった。また監督賞も前半に組まれ、昨年の監督賞ポン・ジュノが韓国からリモートで登場。今年の監督賞は「ノマドランド」中国出身のクロエ・ジャオ監督へ。時代はアジアからアジアへ。ただここに日本人の姿はない。
派手さは無いが、受賞者から琴線に触れるコメントが多い。時に可笑しく感動的。編集賞プレゼンターのハリソン・フォードが試写会のエピソードを披露したかと思えば、「ブレードランナー」製作時の皮肉が込められていたのが可笑しい。
追悼のコーナーでは例年以上に多くの方を取り上げていたが、コロナ禍ゆえか。007関係者もたくさん亡くなったのだな。ショーン・コネリーとチャドウィック・ボーズマンの写真でコーナーは締められていた。
授賞式常連、フランシス・マクドーマンドとグレン・クローズの存在感が目立つ。ただそれ以上に助演女優賞のユン・ヨジョンが際立っていた。作品の中と普段と差が無いような人柄。製作総指揮で賞のプレゼンターのブラット・ピットもタジタジだったようだ。
出席者はワクチン接種が必須だったようで、授賞式中はマスク非装着。それでもソーシャルディスタンス厳守。昨年の反トランプ色と反し、アメリカ官民でコロナ禍と対峙する様相が授賞式から見えた。そんなアメリカとて今現在の接種率は国民の3割程でしかない。
日本は菅が、官がダメだから、民がついてこないんだよ。先が少しだけ明るくなったアメリカに比べ、日本は真っ暗闇。そんな印象を持たせた今年の授賞式でした。
| 固定リンク
コメント