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2021/03/07

WOWOW「古舘伊知郎 トーキングブルース -やっかいな生き物-」を観る

WOWOWで録ってあった「古舘伊知郎 トーキングブルース -やっかいな生き物-」を観た。現代日本最高の語り部である古舘伊知郎。ライフワークとしていた「トーキングブルース」を昨年コロナ禍無観客配信で復活。その後12月、恵比寿ガーデンプレイスで行われた有観客ライブが放送された。

12月時点、古館さん目線で社会にニュース、有名人をぶった斬る。発信側に居た古館さんだからこその切り口。スマホキャリアの攻防、コロナウイルスと感染者報道、GoTo、大坂なおみ、米大統領選、食文化....etc。

テーマは「物語を生きる」。ライブは金言の宝庫。数字は便利だが真実を話さない、数字に毒されている、結局は好きか嫌いかで生きている、遠くのものには美しく怒れる。どこまで真剣に接する事ができるか。目の前の出来事が何処まで真実か。自戒と尊敬を込め、時に自主規制音が入りつつ、古館流の語りを加えていく。

圧巻は大統領選の件のリアルタイム感。自らの見解と開票速報と成り行き。その状況描写はさすが古館さん。抜群の語彙力とトークで再現していく。我々の知っているアメリカへの問い掛け、現総理の叩き上げ物語には納得。さりげなく"東京新聞望月さん"と入れていくあたりが古館さんらしい。世情を映した秋田音頭はお見事。

もちろん2時間近いトークの源泉は古館さんの圧倒的な知識にある。そこから繰り出す古館さんの物語力に敵わない。ブルース=嘆きと悲しみ、そして笑いと真面目なエロスを交えつつ、だからこそ惹きつけられる。

最後は言葉のエキスパート古館さんが神田伯山直伝の講談を披露。しかも題材は中村仲蔵仕立ての「愛の不時着」。観た直後だからこその描写力に張扇の音が心地いい。ぐいぐいと物語前半のクライマックスへ。締めは「続きはNetflixで」なんてWOWOW放送なのにいと可笑し。

トーキングブルースとはイデオロギーの押し付けでなく、偽善承知あくまで古舘節。プロレス実況に始まった古舘節の集大成。コロナ禍、社会の鬱憤に共感する語り口。もし機会があればライブで観たいな。

210307

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