「新感染半島 ファイナル・ステージ」を観る
今夜は「新感染半島 ファイナル・ステージ」を観てきた。あの「新感染 ファイナル・エクスプレス」の続編。前作から4年後の世界。ある目的の下、再び韓国の地に向かう主人公たちの姿を描く。前作抜きでも楽しめる作品でよくできている。
パンデミックに故郷を追われた元軍人のジョンソク。香港に身を置く彼にある依頼が届く。それは韓国に眠る外貨紙幣、先遣隊の奪った2,000万ドルを載せたトラックを探しに行く事。義理の兄に誘われ、やむを得ず赴くジョンソク。荒廃し変わり果てた母国。トラックを探すジョンソクたちに大量のゾンビが迫る。
予告編を観て単なる続編でない事は想像できる。前作とは明らかにベクトルが違う。大ヒットを受け、ヨン・サンホ監督は思い切りエンターテイメント方向に舵を切った。おそらく監督がこれまで観てきた映画へのオマージュ。敢えて全てを挙げないが、いくつもの作品名が容易に浮かんでくる。
中でも筆頭はジェームズ・キャメロンの作品だろう。父性がテーマだった前作に対し、本作は母性。しかも今度は戦争となれば、根底に「エイリアン2」が流れている。ジョンソクを助ける母娘、特に母親のミンジョンの逞しさ。身を捧げて娘たちを守ろうとする姿。クライマックスでの溜めに異論はあるだろうが、再び立ち上がるのに必要だったのだと思う。
物語は前作と同じ世界線ながら味付けは違う。ダークで箱庭感満載の特撮とCGの融合。この良さはスクリーンサイズあってこそ。そんな思い切りの良さは観ていて気持ちいい。特にSUVを操るジュニのドラテクに感嘆。何でこんな女の子が...と思ってもそれは4年のサバイバルが習得させたものと想像。ゾンビを翻弄する妹ユジンのある超絶テクも見どころ。
谷原章介似のカン・ドンウォンは狂言回し的であくまでメインはミンジョン母娘。彼らを構成する家族の絆が希望をつなぐ。そしてラストシーンでのジュニのひと言がコロナ禍の我々に沁みてくる。果たして同じように思える日は来るのだろうか。
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