「ザ・クラウン シーズン1」(吹替版)を観る
Netflixで「ザ・クラウン シーズン1」(吹替版)を観終わった。現在も続くイギリス王室を追った歴史ドラマ。シーズン1はエリザベス二世が王位を継承、困難を乗り越えてその座を築いていく時期が描かれる。史実を織り交ぜつつ、登場人物たちの人間性が垣間見えてくる。王位、王室とは。第10話のラストで「ザ・クラウン」というタイトルが重くのしかかってくる。
皇室批判がタブーとされる日本と違い、スキャンダルも含めドラマにしてしまう度量、許容具合がイギリスらしい。特にシーズン1を通して描かれる妹マーガレットの恋愛の末路。王位を捨てた叔父エドワード八世、彼からの言葉が若き女王の決断を後押し。そして女王として一つ成長していく。
競馬ファンとして第9話が面白い。父ジョージ六世から譲り受けた馬オリオールが登場する。女王は友人でもある調教師にキングジョージⅥ世&クイーンエリザベスS出走で逃げを進言。見事に優勝してみせた。エリザベス女王を描く上では競馬は欠かせない要素。きゅう舎を訪れる女王に重責から解かれる姿が見えてくる。
イギリス王室と政府の関係性は重要。エリザベス女王誕生と共に重要な立場を担うのがチャーチル。だが弁の立つカリスマが老いに苛まれ、肖像画と自らの進退を決断していくエピソードが興味深い。演じるジョン・リスゴーの円熟味と貫禄も大きな見どころ。
「めぐりあう時間たち」のスティーヴン・ダルドリー監督が製作総指揮。時代考証など丁寧な作りが伝わる。メインテーマはハンス・ジマー。その重厚さは「ザ・クラウン」のタイトルに相応しい。まだチョイ役のチャールズ王子はのちに重要なキャストになっていくだろうし、現代に近づくたびによく知る登場人物たちは増えてくる。配信中のシーズン4まで観続けたい作品だ。
| 固定リンク
コメント